公的医療保険適用 窓口負担分を全額補助へ 新型コロナウイルス検査

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はじめに

2019年12月に中国湖北省武漢市での発生が確認された新型コロナウイルスSARS-CoV-2。WHO(世界保健機構)は新型コロナウイルスの集団感染について2020年1月30日「国際緊急事態」を宣言しました。世界規模での危険を及ぼしており連携のとれた国際的な対応が必要となる「異常な出来事」と位置付けています。
3月4日の朝日新聞デジタルでは「政府や自治体の発表を基にした朝日新聞の集計で、国内感染者数はクルーズ船の乗員・乗客などを含めて1,001人となった」と発表。
マスクがスーパーやコンビニなどから姿を消し入手困難となっています。

公的医療保険適用、窓口負担全額公費

厚生労働省によると新型コロナウイルスの検査単価は最大1万8,000円、窓口負担額は3割負担で5,400円としています。
同省は幅広い医療機関で検査を受けられるよう公的保険の適用対象とする方針です。
3月3日、加藤厚生労働大臣は公的医療保険の適用対象にした場合に発生する窓口負担分に関し「全額公費で補填する」と述べ、自己負担なく受けられるようにする考えを示しました。

新型コロナウイルスの検査をめぐる現状

公的な検査機関の体制では検査件数に限界があります。
これまでの「行政検査」では、感染の疑いがある人が専門の外来「帰国者・接触者外来」を受診した後、医師から連絡を受けた保健所が検査実施の”必要性あり”と判断した場合に、各地の検疫所・衛生研究所などで行われてきました。
上記のようなことから症状が重い患者や感染者と濃厚接触があった人の検査が優先されるので、比較的症状が軽く感染の疑いが低い人は保健所で検査を受けられないこともあるのが現状なのです。

保険適用で何が変わるのか

保険が適用されると保健所を介さずに医師の判断だけで民間の検査会社や大学病院などに検査依頼が可能となり、民間の積極的な参入による検査体制の拡充が期待できます。
加藤厚生労働大臣は「医療機関と民間企業、大学病院での検査について、現在は一日当たり1,250件の検査能力があるが、3月10日までにさらに600件増の1,845件とすることができる」と説明しました。
それを踏まえ、国立感染症研究所と検疫所・地方衛生研究所を含めると、一日当たり4,600件程度の検査能力を確保できるようになるという見通しを立てています。
これまで活用できていない「民間の力」を拡大することで、さらなる検査体制の拡充が期待できるため、医療機関や民間の検査会社などと調整を進めるとしています。

最後に

しかしながら、感染が心配な人が誰でも検査を受けられるような体制の整備については、まだ先の課題であるとし、検査体制の拡充には一定の時間がかかる見通しです。
当面の間はこれまで通り、保健所が必要と判断した検査が優先して行われることに変わりありません。短時間で検査結果を判定できる簡易検査キットの開発が進められており、また、地域の診療所などでも検査を行える体制の整備を急いでいます。

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