公的医療保険が無保険になるとどうなる?

SEP_327215200714_TP_V

はじめに

医療制度という点で見れば、日本は非常に恵まれた国です。
病気やけがをして病院のお世話になっても、自分で負担しなければならないのはかかった費用の数割程度だけ。
また、その負担分が高額になったケースでも、そのうちのいくらかが払い戻される制度まで存在しています。
しかし、このような恩恵を受けることができるのは、あくまでも保険証がある場合、つまり公的医療保険に加入している場合だけです。
では、無保険の場合はどうなるのでしょうか?

無保険になると・・・

制度面だけで見た場合、無保険ということは起こり得ません。
なぜなら、日本では国民皆保険という制度が取られており、必ず何らかの公的保険に加入しなければならないからです。
しかし、実際には無保険の状態にある方がいらっしゃるのも事実です。
なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?

よくあるパターンは、勤め先を辞めた後にそうなってしまうというケースです。
退職して健康保険の資格がなくなったときにはすぐに国民健康保険の手続きをしなければなりません。
しかし、何らかの事情で手続きをしなかったときに無保険の状態となってしまうのです。

では、無保険になるとどうなるのでしょうか?
実は、無保険になったとしても、病院で診てもらえないということはありません。
保険証がなくても、病院で診察や治療を受けることは可能です。
ただし、かかった費用はすべて自分で支払うことになります。
健康保険を使った場合の自己負担は通常3割ですから、無保険の場合は保険証があったころの3倍以上の金額を払わなければならないのです。

退職後に国民健康保険の手続きを行わないという場合、その理由の大部分は経済的な事情によるものでしょう。
そのようなときは、高額の医療費を払うのは難しいというケースがほとんどのはずです。
このため、無保険の状態では、体調を崩したとしても病院に行くことは現実的に難しい場合が多いのです。

どうすればいい?

もちろん、最も望ましいのは、ただちに国民健康保険加入の手続きをすることですが、経済的にそれが難しい場合には次のような選択肢があります。
まず一つ目は生活保護を申請するという方法。
保険料が払えないくらい経済的に厳しい状況にあるのなら、市区町村の窓口で生活保護を受給できないかどうか相談してみましょう。
生活保護受給者は医療扶助という制度を利用できるため、自己負担なく病院で見てもらうことが可能となります。
生活保護が難しい場合は、無料低額診療事業という制度もあります。
この制度が利用できれば、かかった医療費が減額されたり免除されたりすることになっています。
なお、この制度を利用するにあたっては都道府県への届け出が必要となります。

いずれにしても、無保険の状態になってしまいそうなときやなってしまったときは、できるだけ早めに最寄りの役所へ相談されることをおすすめします。

関連記事

ページ上部へ戻る