交通事故でむちうち症になってしまったとき医療保険は使えるのか?

4321590_s

はじめに

むちうち症は、正式には頚椎捻挫や外傷性頚部症候群と呼ばれます。
自動車の追突や衝突・急停止などが主な原因となり、首が鞭のようにしなることで頸椎に負担が掛かり体の不調を引き起こします。
症状としては、首の痛みや動かしづらさ・しびれ・耳鳴り・頭痛やめまい・吐き気や嘔吐など、症状はさまざまです。
今回は、むちうち症を患った場合の公的・民間医療保険の対応について見ていきたいと思います。

むちうち症の治療にも公的医療保険が使える

交通事故によるケガの診断や治療にも、公的医療保険を使うことができます。
交通事故でむちうち症になってしまったときも、病院をはじめ、整骨院・接骨院でも公的医療保険を使うことができます。
整骨院・接骨院を利用するときは、まず病院の医師の許可を受ける必要があります。
ただし、仕事中(通勤中・業務中)のケガなどに関しては、労災保険の対象となります。

公的医療保険を使う場合

交通事故での治療を公的医療保険で対応する場合には、まず加入中の健康保険組合に連絡を入れます。そののち病院に公的医療保険を使って治療したい旨をお知らせください。
その後に、加入中の健保組合に「第三者行為による傷病届」を提出します。
なお、保険組合によってこの書類の書式が異なるため、協会けんぽ・組合けんぽ・国保のサイトを確認してください。
その他の必要書類には、負傷原因報告書・事故発生状況報告書・損害賠償金納付確約書・念書などの書類が必要です。

公的医療保険を使ったときのメリット

交通事故の保険対応は、健康保険、労災保険、自動車保険によります。
どの保険で対応するかは、被害者が選ぶことになります。
また治療においては、健康保険を使った保険診療と、健康保険を使わない自由診療から選ぶことができます。
健康保険を使ったときのメリットは、被害者がいったん治療費を建て替えた場合、その自己負担額を軽減できるという点です。
自己負担割合は年齢によっても変わりますが1~3割です。

民間医療保険の対応

通院治療が主になるむちうち症は、残念ながら民間医療保険の適応は難しくなります。
その理由の多くは、他覚症状(客観的にとらえられる症状)を、判断基準としているためです。
しかし医師により入院治療が必要であると判断され入院した場合は、入院後の通院においても保険会社から給付金が支払われることになります。

まとめ

今回は、むちうち症になってしまった場合の医療保険の適応について紹介しました。
公的医療保険を使う場合、手続きの複雑さはありますが、慰謝料を増額できる可能性などメリットもあります。
また、治療が長引く可能性があるむちうち症は、健康保険を使うことで自己負担が多くなったとしても高額療養費制度を利用して負担を最小限にすることができます。

関連記事

ページ上部へ戻る