年金財政について知ろう

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【はじめに】
公的年金の話になると「将来もらえなくなる」とか「財政が厳しい」といったことをよく耳にするかと思います。そういった話を聞くと将来が不安になりますよね。
しかし、公的年金の財政についてちゃんと調べたことはありますか?
おそらく多くの人が「NO」だと思います。ただこのまま何も知らないと漠然と不安を抱えるだけになります。
そこで今回は少しでも将来への不安が解消できるように公的年金の財政について基礎的なことをお伝えしていきます。

【年金が受給できる仕組み】

公的年金の財政の基礎的なことといえば、「どういう仕組みで年金が受給できるのか」になります。
公的年金の財源になっているのは、我々が支払う保険料と国からの資金と国が積立金を運用して得た利益から成り立っています。

サラリーマンのように会社に雇用されて厚生年金に加入している場合は給与から保険料が天引きされるので給与明細にその金額が記載されているはずです。しかし、この金額は保険料の全額ではなく半分になります。残りの半分は会社が出しています。

自営業者のように国民年金に加入している場合は全額自己負担になります。
このような保険料の支払いと国の負担によって公的年金は受給できるのですが、少子高齢化にともなって保険料と給付額のバランスを取る「マクロ経済スライド」という仕組みが平成16年の制度改正で導入されました。
この仕組みは保険料に上限を設けその上限内で保険料を引き上げ、それと国の負担を加えた財源の範囲内で給付額を物価や賃金の変動に合わせて自動調整するものとなっています。

【5年ごとに健康診断してます!】

平成16年の制度改正ではマクロ経済スライドの導入とともに公的年金の財政の見直し方も変わりました。
それが「財政検証」と呼ばれるものです。
財政検証は5年に一度行われ、人口の構成や社会情勢、経済状況を踏まえて、約100年先の公的年金の財政を試算します。5年ごとに受ける健康診断だと思ってもらえると分かりやすいでしょう。健康診断である以上、100年先まで安泰というわけではなく何かしらの病気の芽が見つかることもあるわけです。この病気の芽を放っておけば年金制度は立ち行かなくなります。そうならないためにも財政検証ではその対策も提案されています。この提案を「オプション試算」といいます。今から4年前の平成26年に初めて行われています。
この財政検証は今後の公的年金の方向性をもっともよく知ることのできる指標となっています。公的年金制度に不安を感じているのであるなら財政検証に目を通してみるのが一番でしょう。

【まとめ】

公的年金制度は社会や経済の状況によって支払う保険料と受け取る給付額が変動します。そして、5年に一度の財政検証で見直しをし、方向性を決めていきます。
こうした情報を確認することで自身が公的年金の何に対して不安を抱いているのかがはっきりしてくると思います。そのうえで、働く期間を長くするのか、個人年金を積立てるのかといった取るべき方法が見えてくるはずです。
そして、その方法を実行して動き出すことが個人的な年金対策となるのでしょう。

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