日本の医療は将来どうなる?

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はじめに

何かと批判されることの多い日本の社会保険制度ですが、少なくとも医療に関しては世界的に見ても私たち日本国民はかなり恵まれていると言えるでしょう。
国民皆保険という制度があるおかげで、私たち国民は実際にかかる医療費の一部を負担するだけで高度な医療を受けることができるのです。
ところでこのような医療制度ですが、将来的にはどのようになっていくと予想されているのでしょうか?
現在のような形を維持していくことは可能なのでしょうか?
今回は、この問題について考えてみたいと思います。

悲観的な将来予測しかない状況

このようなありがたい制度が将来的にも維持されるのかどうかということについては、実際のところかなり微妙な状況となっています。
その理由の一つとして挙げられるのは高齢化の問題です。
人間の身体は、歳を重ねれば重ねるほど不調が起こりやすくなります。
病院のお世話になる可能性が高くなるということです。
このため、高齢化が進めば進むほど、たくさんの医療費がかかることになってしまい、これまでは医療費は増加の傾向にありました。
ただし、コロナ禍においては、不必要な受診が減ったりコロナウイルス以外の感染症にかかる人が少なくなったりしたことで医療費の減少が見込まれています。
しかし、事態がいずれ収束すれば、再び増加に転じるのは間違いないでしょう。

さらに、費用増加の傾向を加速させる要因はほかにもあります。
それは技術の進歩。
近年では毎年のように新しい治療法や薬が開発されています。
そのおかげで患者側は、以前であれば治療が難しかった病気でも治るようになったり、治療の際の身体に対する負担が少なくなったりといった恩恵を受けることができるようになりました。
ところが、こういった最新の治療法は高額な費用がかかることが多く、このことも費用増加の要因となっているのです。

もちろん、出ていくお金が多かったとしても、入ってくるお金が十分にあれば制度の存続を心配する必要はありません。
しかし、高齢化によって現役世代の数は減る一方です。
つまり、出ていくお金は増えているのに、入ってくるお金は減っていくという状態が続いているのです。
そして、この傾向は今後さらに進んでいくことが確実視されています。

こういった要因を総合的に考えてみると、将来的な制度の維持はかなり怪しいと言わざるを得ないのです。
自己負担の大幅な増大や制度の破綻といった事態が起こる可能性も十分にあると考えておいたほうがよいでしょう。

まとめ

日本の医療制度の将来に関しては、かなり悲観的な予想しかできない状況です。
自己負担が増えたり制度が破綻してしまったりしたときでも十分な医療を受けるためには、公的な制度だけに頼るのではなく自身でも何らかの備えをしておく必要があります。
民間の医療保険に加入するなど、積極的な自助策を講じることの重要性が増していると言えるでしょう。

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