将来インフレが起こったらどうなる?

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はじめに

貯金や公的年金に頼った老後の生活を考えている場合、インフレによる影響が懸念されるところです。
そこでこの記事では、将来インフレが起こればそのような高齢者にはどういった影響が及ぶのかについて考えてみたいと思います。

特に高齢者には大きな影響

一般的にモノやサービスの価値が上昇を続けることによりお金の価値が下がってしまうことをインフレーション(通称「インフレ」)、その逆をデフレーション(通称「デフレ」)と呼びます。
仮に、将来インフレが起こったとして、私たちの生活にはどのような影響が出るのでしょうか?

将来的に日本でインフレが起こった場合に最も大きな影響を被るのは、年金を主な収入源とする高齢者でしょう。
現在、公的年金に関しては制度を維持していくための施策として「マクロ経済スライド」が導入されています。
このシステムが導入されていることにより、物価が上がるほどには年金の受給額は増えません。
したがって、インフレが起こった場合、年金受給額と物価との乖離が大きなものになることが予想されます。
そうなると、公的年金に頼って生活している高齢者の生活は今よりもさらに苦しいものとなるでしょう。
たとえば、100円で買えていたものが120円、130円と値上がりしていくのに、年金の額はそれに追いつかないというようなことが起こると考えられるからです。

さらに、老後に備えて貯金を用意していた人にも影響が及びます。
年間のインフレ率が2%、金利が現在とそれほど変わらないと仮定すると、現在100万円の貯金があったとしても、約20年後にはおよそ67万円の価値しか持たないことになってしまうのです。

つまり、収入(年金)や手持ちのお金(貯金)は事実上減っていくのに、支出は増えるということが起こってしまうのです。

対策は?

将来のインフレに備えて今からできることはないのでしょうか?
これに関してはいくつかの方法が考えられますが、ここでは個人年金について考えてみることにしましょう。
一般的な定額タイプの個人年金の場合、受取額が加入時点で決まっています。
このため、インフレになってしまっても、受け取る金額は同じです。
したがって、対インフレという点では、あまり効果的とは言えないかもしれません。

一方で、個人年金には変額タイプのものや外貨建てタイプのものもあります。
このようなタイプの個人年金は実績によって受取額が変わってきますので、比較的インフレに強いという特徴を持っています。
ただし、運用や為替の状況によっては元本割れしてしまう可能性がありますので、その点には留意しておく必要があります。

まとめ

この記事では、将来インフレが起こった場合に高齢者の生活にはどのような影響が及ぶのかについて考えました。
インフレが起こった場合、年金や貯金だけで生活していくことは難しくなります。
それに備えるためには、通常の「お金を貯める方法」とは少し異なった方法が重要になってきます。
そういった方法としては、変額タイプあるいは外貨建ての個人年金などが考えられます。
ただし、このタイプの個人年金にはリスキーな面もあるので、その点には留意が必要です。

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