年金の世代間格差について

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【はじめに】
世代間格差は英語ではIntergenerational inequityといい、生涯で受け取ることができる公的年金や、社会福祉などのサービス、納める税金や抱えている借金から来る負債が、生まれた年代ごとに異なることを指します。少子高齢化が加速している現代日本において、この世代間格差は大きな問題となっています。
この記事では、世代間格差問題についてご紹介していきたいと思います。

【格差世代を分類】

格差世代には特にはっきりとした定義はないようですが、この記事では戦後から現代までの世代を、5つに分類していきます。

・団塊の世代:第一次ベビーブームに生まれた世代を指す
・バブル世代:1965年4月2日から1970年4月1日までの生まれたバブル時代に大学を卒業した世代を指す
・団塊ジュニア(就職氷河期世代):1971年から1974年までに生まれた世代。第二次ベビーブームに生まれた世代(ベビーブーマーともいわれれる)
・新人類:1979年頃従来とは違う感性や価値観、行動規範を持つ若者を指した新語
・ゆとり世代:2002〜2010年までの「ゆとり教育」を受けた世代を指す

【世代間格差問題の原因となる年金問題】

世代間格差問題の原因に、公的な年金の問題があります。
国の制度である公的年金は、現役で働いている期間に積み立てて、満65歳から受給し一生涯その保障がつづきます。超高齢化社会といわれる現代、現役で年金を支払う人よりも受給する人が増えているため、年金の支給が厳しい現状となっています。
これまでの積立方式は、現役時代に積み立てた年金を満65歳から受け取ることになりますので、一見問題はないように感じますが、日本人の寿命が延びて年金受給期間が長くなれば、現役の世代が年金受給者の年金分を積み立てる方式へとシフトすることとなりました。少子高齢化社会においては、現役世代が少なくなり年金受給者が増えているため、現状は自転車操業状態という問題が生じています。

【賦課方式の問題点】

前項でふれた方式では、現役世代が支払った年金を賦課し、現時点での年金受給者に渡すという「フリーパス方式」が採用されています。しかし当然現役世代が減れば年金受給者への支払いが厳しくなるため、現役の若い世代が支払った年金の掛金の金額と、受給額の差が出てしまうという世代間格差が生じてしまうという厳しい結果となっています。
このような世代間格差をなくすため、どこかのタイミングで少子高齢化の影響を受けない収支(消費税などの税金)に変更する必要に迫られています。

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