家だけじゃなく年金も「二階建て」がいい?

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【はじめに】
みなさんマイホームを持つとしたら一階建てよりも二階建てがいいですよね?二階建てのほうが部屋数も多くなり、ゆとりある生活ができます。
実は、年金についても同じことが言えそうです。老後の生活を支えてくれる年金制度ですが、加入している種類によって給付される金額が異なるのはご存知ですよね。
そして、よく「国民年金」と「厚生年金」の構造的な関係を「二階建て」に例えたりします。
そこで今回は、なぜ「二階建て」と呼ばれるのかについて簡単に説明したいと思います。

【一階部分はみんな一緒】

日本の公的年金は国民年金と厚生年金とで成り立っています。そして建物の一階部分にあたるのが国民年金になります。国民年金は日本国内に住む人に加入が義務付けられていて、20歳以上60歳未満の人が加入対象になります。ですから、一階部分に関してはすべての人が同じになります。その上に会社勤めの人は厚生年金が乗っかってきます。この構造を指して「公的年金は二階建てになっている」と言ったりするわけです。
しかし、二階建てになっているのは会社員の人たちであって、自営業者やフリーランスの人たちは基本的には国民年金のみの一階建てとなります。

【差がつく二階部分】

会社員の人は給与からの天引きで厚生年金の保険料が支払われています。この保険料は支払うべき年金保険料の半分にあたり、残り半分を会社が負担しているということはよく知られていますよね。この年金保険料は国民年金と厚生年金の保険料を合わせたものになっています。ですから、国民年金の支払いのみの人よりも多くの保険料を支払っていることとなるので、将来受け取れる年金の額も多くなるのです。
ここで「一階建て」と「二階建て」の差が出てきます。
それだけでなく、厚生年金は同じ「二階建て」でも受け取れる年金の額に差が出る仕組みとなっています。要するに給与が高ければ、保険料も高くなり、受け取る年金額も高くなります。

【自分で増築するしかない?】

会社員の人は厚生年金だけでなく、会社が任意で厚生年金基金や確定給付年金、確定拠出年金のいずれかの制度を導入していれば増築して「三階建て」にすることもできます。つまり、通常受け取れる年金額に上乗せすることができるのです。
このように会社員であれば十分に老後に備えることも可能ですが、国民年金のみの人はどうしたらいいのでしょか。
国民年金のみだけでも国民年金基金や個人型の確定拠出年金を利用することで増築することもできます。それだけでなく、しっかり勉強したうえで不動産投資や投資信託などで資産を増やすことも可能ではあります。元本割れのリスクがある投資に不安があるのなら、積立て型の保険などに加入して老後に備えるという方法もあります。

【まとめ】

国民年金のみの人に限らず、厚生年金が受け取れる会社員であっても将来への不安はあるはずです。しかし、不安だからといって安易に投資などに手を出しはいけません。
まず、見つめるべきは自分が年金を受け取る年齢になったときに本当に今と同じ生活水準が必要なのかということです。年を重ねれば若いときより活動範囲も小さくなりお金もかからなくなるかもしれません。一度老後どのくらいの生活費が必要になるか考えてみてください。そうすればどれくらいの年金があれば大丈夫なのかの目安となるでしょう。

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