物価が上がると年金は減る!?マクロ経済スライドとは?

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はじめに

みなさんは自分の公的年金支給額がいくらか計算したことはあるでしょうか?
日本年金機構や保険会社のホームページなどには「マイナンバー」または「年金保険料を払った期間」などの情報を入力して年金試算を行えるシミュレーターがあります。
ですが、その試算の通りに年金がもらえるとは限らないと聞いたらどうでしょうか?
実は日本の年金制度には物価上昇に伴う年金額上昇を抑制するシステムがあり、試算通りにはならない可能性があります。
今回はそのシステムであるマクロ経済スライドについて説明していきたいと思います。

マクロ経済スライドとは?

結論から言うとマクロ経済スライドとは「年金が減る」こと。
とは言え単純な支給額の増減の話ではありません。ここからは少し難しい話なので順を追って説明します。

まず「(長いスパンをかけて)年金受給額は基本的に上がっていく」ということを知っておきましょう。
年金は、その時々の人口・平均寿命・物価や賃金上昇を加味して、もらえる額の価値が落ちないように調整されている(上げられている)のです。
つまり相対的に見れば、もらえる支給額の価値は変わらないということになります。

ここでもう一つ問題が出てきます。
年金の運用・支給は現役世代で賄われているという点です。
そのため、このシステムでは少子高齢化が進むと
「平均寿命は伸びて(年金受給者は増えて)、現役世代は減る(年金保険料収入は減る)」
ここに物価の上昇も加わることになり、年金システム崩壊の危険さえあります。

ここでようやく「マクロ経済スライド」の出番です。
政府は2004年にこの制度を導入し、今まで2回発動しています。
この制度の制定理由は、物価連動(マクロ経済)による年金額の上昇を抑制して支出を減らすことにあります。

ちなみにこの「マクロ経済スライド」という難しい言葉。
こういう難語を使うところに「選挙対策」「政府が年金システムの崩壊を察知されないようしている」という見方もあります。

では老後に備えて何をすればいいのか?

金融庁の「老後2000万円必要」問題を引き合いに出すまでもなく、公的年金だけによる老後生活は苦しいものだと思われます。
ここは頼れるものは自分だけと覚悟を決め、今から個人年金などで対策をしましょう。以下にその候補を挙げたいと思います。

個人年金

インフレに弱いというイメージはありますが、全く何もしないよりはマシでしょう。
貯蓄性が高く、契約時に決めた額が老後支給されます。
支給期間は「終身」「有期」両方あります。
どちらにもメリット・デメリットが存在しますので、保険専門家に相談しつつ自分にあったものを選びましょう。

変額個人年金保険

こちらも個人年金の一つですが、もらえる額が変動する特徴があります。
払った保険料は保険会社により運用され増やすことができれば、将来もらえる額も増えていきます。
定額個人年金に比べてハイリスク・ハイリターンではありますが、インフレには強い年金と言えるでしょう。
長期的な目が必要な金融商品であり、運用先は自分で決めることもできるので、信頼できる保険専門家に常に相談しましょう。

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