家賃収入があったら年金が減らされるって本当?

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##はじめに
近年、ミドルリスク・ミドルリターンの投資としてアパート経営などの不動産投資が人気を集めています。
「年金だけでは定年退職後の生活が心配だし、賃貸経営をやってみようか?」と考えるアラカン・アラフィフ世代の方もおられることでしょう。
ところが「在職老齢年金」という制度があることを耳にし「賃貸経営で家賃収入があったら年金が減らされてしまうのでは?」という不安の声をあげられる方もいらっしゃいます。
ですが、ご安心ください。
結論から言ってしまうと、家賃収入があるからといって年金が減らされることはありません。
詳しくは以下で見ていくことにしましょう。

##そもそも「在職老齢年金」ってどんな制度?
老齢厚生年金を受け取っている69歳までの方が厚生年金に加入して働いている場合や、70歳以上の方が厚生年金の適用されている会社などで働いている場合、受け取っている年金と給与の額によっては受け取るはずの厚生年金の一部が減らされたり、全額とも支給が停止されたりするケースがあります。
これが制度の概要で、厚生年金に特化したものであり、国民年金(老齢基礎年金)が減らされることはありません。
ところで、この制度に関しては、高齢者の方の「働こう」という意欲を阻害しているとの批判があります。
そのような批判の影響を受けたものなのかどうかはわかりませんが、2019年の前半には「制度そのものの廃止が検討されている」というニュースも流れました。
しかし、制度を廃止してしまうと年金財政に負の影響が及ぶことは避けられません。
そこで、65歳未満の減額の基準となる収入の額を、65歳以上と同様の額に引き上げる改正は行うものの、制度そのものは引き続き残るという形で決着が図られることになりそう、というのが現在の状況です。

##家賃収入があるだけでは年金は減らされません
ここまで「在職老齢年金」制度のあらましについて見てきました。
ただし、この制度が適用されるのは勤めに出ている、つまり厚生年金に加入していたり、それが適用されている会社で働いたりしている高齢者の方です。
厚生年金に加入していたりそれが適用されている会社で働いたりしていない限り、制度が適用されることはありません。
したがって、アパート経営などの不動産投資を行って家賃収入を得たとしても、それだけで年金が減らされるということは起こり得ないのです。

##最後に
ここまで見てきたように、家賃収入があっても年金が減らされることはありません。
ただし、税金はかかります。
家賃収入から必要経費などを差し引いたものは「不動産所得」(規模によっては事業所得)に該当し、この部分が一定以上の黒字であれば所得税や住民税などが課税されます。
また家賃収入を得るためには当然のことながら土地や建物を所有する必要がありますが、それらの不動産を所有しているとその経営が黒字か赤字かに関係なく、固定資産税や都市計画税と言った税金もかかってきます。
したがって、家賃収入を得たいと思うのであれば、年金減額の心配をする必要はありませんが、これらの税金や不動産投資に関する知識はしっかりと勉強する必要があると言えるでしょう。

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