定年後も仕事をすると厚生年金が減額される?

82e02c77510e19d1cfb6cb4ef9d8b8cb_s

はじめに

厚生年金には在職老齢年金という制度があります。
この制度により、年金をもらいながら仕事を続けていると、年金が減額されるケースがあります。
以下では、どのような場合に減額されるのかについて説明します。

年金が減額される?

厚生労働省が公表しているデータによれば、日本における平均寿命は女性が87.45歳で男性が81.41歳(2019年の数値)
定年後は残り少ない人生をのんびり、などとは言えない状況になってきました。
何しろ、60歳や65歳で仕事を辞めたとしても、その後も数十年にわたって人生は続いていくのが当たり前になってきたわけです。
このような状況の中、いったん定年になった後も、実際に働き続けている人は多いはずです。
また、現役世代の方でも、「定年退職してからも年金を受け取りながら仕事を続けよう」と考えている方も少なくないでしょう。
むしろ、定年後は仕事をしないと考えている方のほうが少数派かもしれません。
しかし、年金をもらいながら仕事を続けていると年金が減額されるという話を聞いたことはないでしょうか?

これは実際にその通りではあるのですが、年金をもらいながら仕事をすれば必ず減額される、ということではありません。
では、どのような場合に減額されるのでしょうか?

60~64歳の場合

65歳になる前に厚生年金を受け取ることのできる特定の年齢層の方や、年金を繰り上げで受け取っている方などが該当するパターンです。
このケースでは、ひと月当たりの収入額が28万円をオーバーした場合に減額の対象となります。
この場合の収入額とは、次の(1)と(2)を合算した金額です。
(1)受け取っている厚生年金のひと月当たりの額。
(2)ひと月当たりの給料に、直前の1年間で受け取ったボーナスの額を12で割って足したもの。
この合算額が28万円をオーバーした場合、そのオーバーした分の50%が厚生年金から減額されます。
たとえば、(1)が12万円、(2)が30万円で合計42万円としましょう。
すると42万-28万=14万で、その50%である7万円が減額されます。
したがって、受け取る厚生年金は12万円から7万円を引いた5万円となるわけです。

65歳から

先ほどとの違いは減額の基準となる収入額です。
この場合は47万円となります。
先ほどと同じ計算方法で収入がこの金額をオーバーした場合には、先ほどと同じ手順で年金が減額されることになります。

最後に

この制度のおかげで仕事を続けていると年金がまったくもらえなくなってしまう、というのはよほどの高収入があるケースに限定されます。
また、仕事を続けるということで保険料も支払い続けることになり、将来受け取る額が増えることにもなります。
仕事を続けていたら減額されるなら、仕事を続けないほうが得。
そう考える方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそういうわけではない点には注意が必要です。

関連記事

ページ上部へ戻る