年金を繰り上げでもらうのは得?損?

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はじめに

突然ですが、この記事を読んでいるみなさんは何歳まで働こうと考えていますか?
65歳?それとも70歳でしょうか?
いずれにしても最近ではそれなりの年齢になってもまだまだ元気な人が多くなってきました。
また、平均寿命も伸び続けておりこれからは人生100年、いやもしかしたら人生120年の時代がやってくるかもしれません。
これは老後が長くなることを意味します。
このような長い老後生活の大きな支えといえば、やはり年金ですよね。
この年金、繰り上げでもらうのは得なのでしょうか?
それとも損なのでしょうか?

繰り上げ=損とは限らない

いまの時代、昔のように60歳での引退を考えている人はどちらかといえば少数派でしょう。
また、本人は60歳で引退したいと思っていても、経済的にそれが許される人は多くありません。
さらに、雇うほうにも65歳までは雇用する義務があります。
つまり、65歳までは月々の収入が確保されている人が昔よりもはるかに多いということです。
65歳で定年後も70歳くらいまでは何らかの仕事に就いて収入を得ている人も少なくありません。

一方、年金は原則的には65歳からもらうことができるようになっています。
ただし、手続きをすればもらい始める年齢を繰り上げることもできますし、逆に繰り下げることもできます。
そして、月々にもらえる額は前者の場合は少なくなり、後者の場合は多くなります。
このため、65歳を過ぎても収入源があるのならば、繰り下げのほうをすすめる声も少なくありません。
逆に繰り上げのほうはデメリット面が強調され、「するべきではない」とする意見も目立ちます。
しかし、繰り上げること=損とは限りません。
それはなぜでしょうか?

70代以降は使うお金の額が少なくなる

老年期の一般的な傾向として年齢と使うお金の額の間には反比例の傾向があります。
年齢が上がれば上がるほど、使うお金は少なくなっていきがちなのです。
このことは統計からもわかります。
総務省が公表している家計調査報告(2019年度版)によれば、世帯主の年齢が60代の二人世帯と世帯主の年齢が70代以上の二人世帯では、月々の平均支出額において約5万円もの開きがあります。
70代以上になると60代のころよりもこれだけ使う金額が減っているのです。
いくらもらえる額が増えるといっても、それがお金を使わなくなっているのなら、あまり意味のあることとはいえませんよね。

また、少し不謹慎な言い方かもしれませんが、誰でも80歳、90歳あるいはそれ以上の年齢まで生きられるわけではありません。
繰り下げをした挙げ句、その前に亡くなってしまったとしたら元も子もありません。

最後に

このように、年金の受給年齢に関しては必ずしも「繰り上げが損」で「繰り下げが得」とは限りません。
したがって両者のメリット・デメリットを強調する声に惑わされることなく、自分の意志で決めることが重要といえるでしょう。

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