年金と確定申告の関係について

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はじめに

数年前に老後2000万円問題というニュースが世間を騒がせました。
年金だけで何不自由なく老後の暮らしを成り立たせるというのはそれだけ難しいということなのでしょう。
しかし、だからと言って年金などあてにならないということではありません。
多くの高齢者にとって年金は非常に重要な存在です。
年金がなければ、老後の生活はさらに厳しいものとなってしまうことでしょう。
このように多くの高齢者にとって命綱とも言える存在の年金ですが、今回はこの年金と確定申告の関係について考えてみたいと思います。

年金と税金の関係

確定申告とは、主に所得税をどれくらい納めなければならないかを決めるための手続きです。
この所得税という税金ですが、実は収入に対して課せられるわけではありません。
収入ではなくて、収入からそれを得るためにかかった費用を引いたもの、簡単な言葉で表せば「儲け」に対して課せられる税金です。
この「儲け」のことを所得、そしてそれに対して課せられる税金を所得税というわけです。

この税金ですが、年金に対しても課せられることになっています。
年金の場合、先ほど述べた収入を得るためにかかった費用に該当する部分のことを公的年金等控除額と呼びます。
受け取った年金からこれを引いたものが所得ということになるわけです。
ちなみにこのような考え方をするのは公的年金の中では老齢年金のみです。
障害年金や遺族年金に関しては、そもそも税金が課せられる対象とはなっていません。

所得があると確定申告が必要?

ところで、老齢年金を受け取り、所得があることになると確定申告をしなければいけないのでしょうか?
結論から言うと、必ずしもそうとは限りません。
所得税の課税対象となる場合、基本的には源泉徴収の形で先にその分が引かれることになるからです。
したがって、年金を受け取ったときにはすでに所得税を納めたことになっているのがふつうです。
また、高齢者が申告の手続きをしなければならないことに対して、その負担を減らすための確定申告不要制度という制度も設けられています。
このため、年金を受け取っている人で実際に確定申告をしなければならないのは、その収入金額が400万円を超えるケースや、年金以外に一定額以上の所得があるケースなど、一部の場合に限定されることとなっています。

確定申告は税金をとられるためだけのものではない

ところで、確定申告は税金をとられるだけのものではありません。
年金を受け取っている方の場合、確定申告をすることですでに払った税金の一部が戻ってくることもあります。
このため、確定申告の仕組みについてある程度は理解しておくことが重要です。

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