30年後の年金はどうなる?

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はじめに

年金の将来に不安を感じている方は少なくないはずです。
はたして、今現役で働いている方が高齢者になるころ、年金という制度は残っているのでしょうか?
今回は、30年後の年金制度がどうなっているのかについて考えてみたいと思います。

制度がなくなる可能性はかなり低い

近年の日本における最大の問題。
それは少子高齢化と言っても過言ではないはずです。
国も色々と対策を行ってはいるものの、この問題が解消されそうな雰囲気は今のところありません。
このような状況では「30年後あるいは40年後にはいったいどうなっているのか?」と年金の将来を心配される方も少なくないことでしょう。

たしかに、日本の年金システムは現役世代が高齢者を支える形になっています。
このため、人口における現役世代と高齢者のバランスが大きく崩れると、システムがうまく回らなくなってしまう心配があります。
しかし、制度そのものがなくなるという可能性は、今のところかなり低いと考えられます。

その根拠としてまずに挙げられるのは、2004年に導入されたマクロ経済スライド。
これは、年金の支給額を現役世代の数や平均余命などに基づいて調整する仕組みで、将来の現役世代に過剰な負担が及ぶことを防ぐ目的で導入されました。
つまり、少子高齢化が進むであろうこの先も制度を維持していくための仕組みというわけです。

さらに、わが国には2020年現在で約157兆円にも及ぶ年金積立金があります。
なぜ、これだけ巨額の積立金があるかと言えば、それは将来の世代にも年金という制度を残しておくためにほかなりません。

また、日本国憲法第25条には「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と定められています。
もし年金という制度がなくなってしまうと、高齢者の多くは「健康で文化的な最低限度の生活」を営むことが難しくなってしまうでしょう。
そうなると、国はそういった高齢者に生活保護を支給しなければなりません。
その場合、国の財政は年金という制度を維持した場合よりも深刻な赤字になってしまう可能性があります。
そのような危険を冒してまで国が制度を廃止するとはほぼ考えられないでしょう。
日本という国がなくなってしまうような事態にならない限りは、国は何とか制度の維持をはかるはずです。

上記のような複数の要因をもとに考えると、30年後あるいは40年後といった将来に年金という制度がなくなってしまう可能性はかなり低いと考えられるのです。

それでも自助は大切

制度がなくなってしまう可能性はかなり低いと言っても、ネガティブな影響が皆無というわけではありません。
現に、マクロ経済スライドの導入により、実質的な受取額は目減りしていくことがほぼ確実です。
また、将来的には年金を受け取ることのできる年齢がさらに引き上げられる可能性もあります。
したがって、安心して老後を迎えるためには、個人年金保険やiDeCoへの加入など、何らかの自助策を講じておくことが大切と言えるでしょう。

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