年金制度の将来予想

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はじめに

近年、年金をめぐっては暗いニュースばかりが目立つようになっています。
このため、制度の存続を心配している方も少なくないでしょう。
そこでこの記事では年金制度の将来予想について考えてみることにします。

制度は無くならないと予想

年金制度の将来を予想するとき、一番気になるのは制度が無くなってしまわないかどうかという点ですよね。
日本の年金は賦課方式と呼ばれるやり方で、現在高齢者の人が受け取っている年金は現役世代の方から徴収した保険料で賄うシステムになっています。
このため、少子高齢化が進んでさらに高齢者が増える一方、現役世代の数が減っていくと制度が持たないのではないかと心配する人も少なくないでしょう。

しかし、この点に関して言えば、おそらくそのようなことは起こらないのではないかと思われます。
その理由として第一に挙げられるのは巨額の積立金の存在です。
厚生労働省によると、2020年度における積立金の額は過去最高の194兆5186億円となっています。
これは、もし保険料を一切徴収しなかったとしても、5年近くは積立金だけで制度を運営することができるくらいの額です。
ここまでの額の積立金を保有している国は、他の先進国にはありません。
これだけ巨額の積立金があれば、高齢者と現役世代の数的バランスがさらに崩れたとしても、制度を維持していくことはできるでしょう。

さらに、日本国憲法第25条第1項には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と記されています。
もし、年金という制度が無くなってしまえば、「健康で文化的な最低限度の生活」を営むことができない高齢者が多発するはずです。
そうなると、国はそういった高齢者に生活保護を支給しなければならなくなります。
その場合の国の負担は、年金制度を維持した場合よりも大きなものになるかもしれません。
そこまでのリスクを冒して制度を廃止する可能性はほぼないと考えられます。
また、国もそうならないような、つまり制度を維持していけるようなシステムを導入しています。

受取額は減る可能性が高い

制度を維持していくために導入されたのはマクロ経済スライドと呼ばれるシステムです。
簡単に言えば、このシステムが導入されたおかげで、物価の上昇幅に比べて年金受取額のそれは抑えられるようになりました。
こうすることで現役世代への過剰な負担が抑制され、制度が維持しやすくなると考えられているのです。
しかし、このことは実質的な受取額が減少していくことを意味しています。
したがって、公的年金だけで老後の暮らしを十分に満足できるものにするのは、今後ますます難しくなっていくと予想されるでしょう。
個人年金への加入など自助策の重要性が増している現状です。

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