年金は30年後にはどうなっている!?

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老後資金問題など、私たちの老後の生活はどうなるのだろうかと不安を感じている人も多くいると思います。公的保険だけで生活費は足りるのか、いくらくらいもらえるのか、そういった疑問に今回は答えていきます。

財政検証から読み解く30年後の年金額

国民年金法によって、公的年金制度は5年に一度は見直されています。これを”財政検証”と呼んでいます。直近の財政検証が行われたのは2019年です。

財政検証を読み解く上で、是非とも知っておいてもらいたい言葉が”所得代替率”(しょとくだいたいりつ)です。これはどういうものかと言うと、現役で働いている世代の年収に対して、年金受給世代の受け取れる年金額の割合を示すものです。

2019年の所得代替率は、平均的な賃金で夫が40年間厚生年金に加入し、その妻との二人世帯の場合、61.7%で、前回の財政検証の行われた2014年の62.7%と比べ、わずかに下がっています。これは、現役世代の月収手取り額を35.7万円、年金受給世代の年金額を約22万円とした場合の数字です。

財政検証では、将来の経済シナリオを6つ想定し、それぞれで所得代替率の見通しを出しています。2019年の5年後の2024年の時点での想定では、6つのシナリオいずれも、所得代替率が60%を超えるという見通しが出され、問題なしと判定されています。

因みに、所得代替率は5年以内に50%を割り込むと予想された際には、年金給付額の減額、または保険料率の引き上げなどを検討することが義務となっています。

30年後の年金額はいくらになっているか?

前項で述べた6つの経済シナリオのうち、ケース1からケース3は、”経済成長と労働参加 (労働人口が占める割合の拡大) が進む”と言う場合の試算で、ケース4とケース5は、”経済成長と労働参加が一定程度進む”場合の試算です。そして残るケース6が、”経済成長と労働参加が進まない”場合の試算となっています。

6つのシナリオを個別に見ていくと、最も楽観的なケース1が、2046年度の時点で51.9%と当然ながら最も高く、続いてケース2が2047年度に51.6%、ケース3が2047年度に50.8%と、所得代替率がぎりぎり50%を超える結果となっています。

しかし、ケース4とケース5では、2040年代半ばの時点で所得代替率は50%に達する予想で、その後、2050年代半ばから後半の間に、ケース4では46.5%、ケース5では44.5%へ低下すると予想されています。

そして、最も悲観的なシナリオであるケース6の場合、2043年に所得代替率が50%となり、2052年には国民年金の財源そのものが枯渇すると予想されています。そうなると、国民年金は国庫からの支出と現役世代の納める保険料に頼らざるを得なくなり、所得代替率は36%から38%になると予想されます。この予想を見て、あなたはどう思われましたか?

最後に

30年後の年金額を考えたとき、何らかの対策を取らなければ暮らしが立ち行かなくなることは明らかです。個人年金や投資などで、老後資金を作る必要があるのではないでしょうか。

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