年金制度30年後にはどうなっているのか

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毎年、将来の年金について国会などでも大きく取り扱われることの多い問題ですが、例えば30年後には、年金制度は変わっているのでしょうか。変わらなければ次の世代にどの様な問題を残すことになるのでしょうか。

年金とは※

まず年金とは何かと申しますと、自身で事由があるものに該当した場合、毎年定期的に支給がなされるお金のことを年金と申します。殆どの方は年金と申しますと、ある一定の年齢に達した時いわゆる老後に安定した生活を支える為に支給されるお金と考えがちです。

勿論、それも年金には違いありませんが加入している年金によっては、怪我や病気がもとで障害状態になったときや万が一の時に支給される年金なども存在します。日本には年金として大まかに分けると2種類の年金が存在します。

●公的年金
主に一般の国民が対象の「国民年金」は、原則20歳以上60歳未満の日本に在住するすべての人が加入するものです。そして、会社員や公務員が加入する「厚生年金」の二つが公的年金と呼ばれるものです。

国民年金から受け取る年金を「基礎年金」と呼びます。ここで会社員や公務員などは厚生年金も支払っていますので、受け取る年金は「老齢基礎年金」「老齢厚生年金」と二つの年金が受け取れるという事になります。これらが公的年金と呼ばれるものです。

●私的年金
私的年金とは公的年金とは基本的に異なったものといえます。これは公的年金に加えて支給されるものですから、私的年金に加入しておられた方は、公的年金のみの方と比べると年金額は増えるという事になります。

私的年金とは政府以外の民間の企業などが運営している年金制度を指して使われます。種類と致しましては「確定給付型」と呼ばれるものと「確定拠出型」と呼ばれるものがあります。

年金は幾ら必要か

いずれにせよ問題は、年金だけで生活ができるのか。現在と今後、例えば30年後には年金制度はどうなっているのか、問題はそういったところではないでしょうか。

年金のみで生活できるかは、先ず老後の生活には、いったい幾ら必要かといった金額が分からなくては計算も出来ません。2020年に総務省が発表した「家計調査報告」で65歳以上の単身世帯と、夫婦のみ世帯の毎月必要な平均生活費が発表されているので見てみましょう。

65歳以上の夫婦のみの家庭で、一か月の必要な生活費は224,390円となっています。単身世帯では、133,146円となります。したがってこの額よりも多く年金を支給されている家庭は概ね年金のみで生活できるという事です。

現在の年金支給額は、国民年金の場合平均額は男性で58,866円、女性で53,699円となっており、国民年金を含む厚生年金の平均受給金額は、男性164,770円女性103,159円となっており、夫婦共に年金額が平均額支給されると合計で268,000円となる計算です。
※令和元年度、厚生労働省「厚生年金保険・国民年金の概況」調べ

上記の金額から見て現状では、年金を満額支払っており尚且つ夫婦共に厚生年金を含む年金の金額を受け取れる方達だけが、年金で生活が出来るという事になります。国民年金のみしか支給されない家庭では年金だけでは生活が出来ないという計算になってしまいます。

現状でも既に年金のみで生活が出来ないケースが出てきているという事は、今のまま人口が減り続けて行けば年金のシステム上、年金を支える人口が減少するという事で、先を見れば見るほど公的年金では生活が立ち行かなくなるという事になってしまいます。

老後2,000万円問題と言われるほど老後を迎えるまでに蓄財しておかなければ生活ができないと、金融庁の金融審査会でも報告されています。これが現在そして将来における年金の問題ではないでしょうか。

最後に

年金制度は現在のままではとても将来必ず訪れる、老後の生活に対応しているとは言えないものになって来ております。今後制度の抜本的な改革や変革は国として最重要な課題として認識されているものといえますので、国の政策から目が離せません。

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