インフルエンザの予防接種に医療保険は適用される?

3a2a11d6e2e62c560cbd3dfc749c4667_s

はじめに

猛暑だった今年の夏も間もなく終わり、これから秋がやってきて冬に向かっていきます。
気温と湿度が下がってくると猛威を振るいだすのがインフルエンザ。
感染力が強くて短い間に患者が増えやすく、感染すると強い全身症状とともに高熱を発し、気管支炎や肺炎などを併発して重症化することも珍しくありません。
このインフルエンザに対する一番の対策は、予防接種を受けることです。
ところで、インフルエンザの予防接種に医療保険は適用されるのでしょうか?
今回はそこに焦点を当てて見ていきましょう。

公費で受けられるケースもある

結論から言えば、インフルエンザの予防接種は公的医療保険の対象とはなりません。

インフルエンザの疑いがあり検査を受けることになったとき、あるいはインフルエンザに感染して治療を受けることになったときは公的医療保険の対象となりますし、重症化して入院することになれば民間医療保険(加入していれば)の給付金も受け取ることができるでしょう。

しかし、予防接種に関しては原則として費用の全額を自分で負担しなければならないことになっているのです。
ただし、これには例外があります。
予防接種法という法律に基づく予防接種(定期接種)に関しては、その費用を負担してくれる市区町村もあるのです。
インフルエンザに関しては、定期接種の対象となるのは
「65歳以上の人」
「心臓や腎臓、あるいは呼吸器の機能障害により身の回りの生活に極度の制限がある60歳から64歳の人(おおむね身体障害者1級に相当)」
「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって免疫機能の障害があり日常生活がほとんど不可能な60歳から64歳の人(おおむね身体障害者1級に相当)」
のいずれかに該当する人で、どれくらいの額が公費負担となるのかは市区町村によって変わってきます。

予防接種を受ければ節税になることも

ところで、インフルエンザの予防接種を受けていると、節税できる可能性があることをご存じでしょうか?
2017年に始まった「セルフメディケーション税制」という新たな医療費控除制度では、健康の維持増進や病気の予防に「一定の取組み」をしている人(とその家族等)について、特定の成分を含む市販の医薬品を購入した場合に12000円を超えた分に関して確定申告の際に医療費控除を行えるようになっているのです(ただし88000円が上限)。
これまでの医療費控除は10万円か総所得の5%のうち、どちらか低いほうを超えた分が対象でしたので、控除の条件がかなり下がったことになります。

この「セルフメディケーション税制」の「一定の取組み」にはインフルエンザの予防接種が含まれており、他には市町村が実施するがん検診や勤め先が行う定期健康診断、健康保険組合などが実施する人間ドッグなどが対象となっています。

最後に

なお、セルフメディケーション税制に関しては、これまでの医療費控除と併用することはできず、どちらの控除を受けるかを選択することになっています。
また、予防接種(人間ドッグや他の検診も)の費用に関しては、控除の対象とはなりませんのでご注意ください。

関連記事

ページ上部へ戻る