国民年金保険料の追納期限切れ後の対応について

22068897_s

はじめに

何らかの事情により国民年金保険料の免除や猶予を受けていた場合、後からその分の保険料を支払う仕組みがあります。
これを追納と呼びます。
ただし、これには期限があり、期限切れになった場合は払うことができません。
その場合、受給額の減額をカバーするには国民年金の任意加入や個人年金への加入といった手段が考えられます。
詳しくは以下で説明します。

追納可能なのは10年以内

お勤めの方で厚生年金に加入している場合、年金保険料は給料から天引きされているはずです。
したがって、自身で支払いの手続きをする必要はありません。
ところが、国民年金のみに加入されている方の場合は事情が異なります。
どのような支払い方をするにせよ、自身でその手続きをしなければなりません。
しかし中には学生であったり経済的に厳しかったりするなど、支払いが難しいケースもあることでしょう。
そのような場合、申請をすることで保険料の免除や猶予といった措置を受けることができます。
簡単に言えば、その措置を受けられる期間は保険料を払わなくて済む、もしくは払う額が少なくなるということです。
ただし、このような措置を受けた場合、その分受け取る年金の額も減ることになります。

近年、マクロ経済スライドの導入により受給額が目減りしていくなどして、老後の生活における年金の比重は小さくなりつつあります。
この傾向は将来的にもしばらく続くことでしょう。
とは言うものの、多くの高齢者にとって公的年金が命綱であることには変わりありません。
いくら頼りにならなくなってきているとは言えども、年金は重要な収入源なのです。
したがって、受給額が減ることでも暮らしにネガティブな影響が出てしまうかもしれません。

そこで、過去に猶予や免除の措置を受けた方の中には、経済状態が安定してきたときにその分の保険料を払いたいと考える方もいらっしゃるはずです。
そのような方のためにあるのが追納という手続きです。
これを利用すれば、過去に払えなかった保険料を納めることで受給額の減額を防ぐことが可能となります。
ただし、この手続きには10年という期限があります。
期限切れになった場合は追納することができません。

この場合、減額分をカバーするための方法としては、国民年金の任意加入あるいは個人年金への加入といった手段があります。
前者は、60歳以降も保険料を払い続けるもので、これにより減額分を取り戻せる可能性があります。
なお、任意加入を希望する場合にはあらかじめ申請が必要です。

後者は、民間の保険会社などが販売する個人年金保険に加入する方法です。
公的年金とは別にこれを受け取ることで、減額分をカバーするだけでなく上乗せをすることも可能になります。

まとめ

国民年金保険料の猶予や免除の措置を受けた場合、その分の保険料を後から払える手続きがあります。
これを追納と呼び、10年以内という期限が設けられています。
期限切れになった場合には、国民年金の任意加入や個人年金への加入といった手段を用いることで受給額の減額分をカバーすることができます。

関連記事

ページ上部へ戻る