厚生年金の会社負担と不正の見抜き方について

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【はじめに】
会社員のみなさんは厚生年金の保険料を会社と折半負担しているとご存知でしょう。しかし「本当にきちんと折半負担しているのかなぁ」と気になりませんか?
そこで今回、厚生年金の不正の見抜き方について見ていきたいと思います。

【厚生年金の会社負担と個人負担の割合】

厚生年金法第82条より厚生年金の保険料は給与から天引きされ会社と個人とが折半負担となります。

会社負担 50%
個人負担 50%

つまり毎月の給与明細に記載されている厚生年金保険料と同額を会社がいったん負担し、そして両方の負担した保険料を年金機構に会社が支払い代行しているのです。

【厚生年金を全額会社負担にするのは合法か?違法か?】

厚生年金は通常折半負担となりますが、まれに会社が厚生年金保険料を全額負担しているところもあります。しかしそれは違法ではありません。

法律では会社が半額以上負担すれば良いということになっており、全額負担すること自体は合法です。しかし2つの問題があります。

一つ目は本来個人負担にする保険料も会社負担となっているので、結果的に所得税が高くなる

二つ目は全額会社負担としているが実際には厚生年金に加入していないところもある。

【厚生年金の会社負担と不正の見抜き方】

厚生年金も健康保険もメリットがあるのは従業員だけで、企業からしてみれば厚生年金などの保険料支払いは負担でしかありません。
そこで次は、会社負担の厚生年金について違法状態でないか確認する方法を紹介します。

4~6月の3ヶ月分の給与を合計し3で割ります。その金額が報酬月額となり、年金機構のサイトなどで標準報酬月額を出します。その標準報酬月額表を元に事業主、労働者の折半の保険料負担が出てきます。
この保険料負担金と毎月の給与明細から差し引かれる厚生年金保険料の金額が一致する、又は近い場合には会社負担に関して違法ではないといえます。

【ねんきん定期便に会社負担分の厚生年金の記載がないが大丈夫?】

ねんきん定期便が定期的に自宅などに届いているかと思いますが、中を確認して見ると「自分の負担した厚生年金の金額しか記載されていなく会社負担分の記載がない!」と会社が本当に半分の厚生年金を納付してくれているのか心配になる人もいるかもしれません。
しかし、心配しなくても大丈夫。ねんきん定期便が届くということ自体、会社が個人負担と同額の厚生年金を納付していることを意味するからです。

【おわりに】

厚生年金の会社負担率がおかしいと思ったときや、会社が労使負担の保険料を納付しているはずだけど本当に半額負担してくれているのかわからないときは会社に確認することをおすすめいたします。
万が一解決しないときには「年金事務所」に相談するといいでしょう。

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