- 2019-9-4
- 医療保険
はじめに
日本の公的な医療保険制度は、「職域保険」と「地域保険」に大別することができます。
職域保険のほうは「あぁ、あれのことね」とピンとくる人も多いでしょう。
では地域保険のほうはどうですか?
「どのような保険のことかわからない」「聞いたことがない」という人も意外に多いのではないでしょうか。
でも、この「地域保険」って案外誰でも知っている保険のことなんです。
職域保険って?
まず職域保険から見てみましょう。
これは被用者(労働契約に則って雇われている人)を対象とした医療保険で、健康保険・共済組合・船員保険があります。
健康保険はサラリーマン(とその扶養を受ける人)が加入するもので、企業が単独あるいは合同で設立する健康保険組合が運営主体となる「組合健保」(組合管掌健康保険)および全国健康保険協会が運営主体の「協会けんぽ」(全国健康保険協会管掌健康保険、以前の政府管掌健康保険)があり、前者は主として大企業に、後者は主として中小企業に勤める人(とその扶養を受ける人)が対象となります。
次に、共済組合は公務員の人や私立学校の教職員、日本郵政グループや独立行政法人に勤める人(とその扶養を受ける人)が加入するもので、各々の各共済組合が運営主体となっています。
また、船員保険は船員(とその扶養を受ける人)が対象となり、厚生労働省が運営主体です。
これら職域保険の保険料は各人の給与水準に基づいて定められることとなっており、雇用する側とされる側がそのほぼ半分ずつを負担する仕組みになっています。
地域保険って?
ここまで読んでこられたら、もうほぼおわかりになったかもしれませんが、地域保険とは国民健康保険のことを指し、個人で事業をしている人やアルバイトなど短時間労働のため職域保険に入れない人、無職の人等が加入するものです。
運営主体は市区町村で、その保険料は世帯収入・資産・人数によって各市区町村が定める算出基準に基づいて決まります。
なお、職域保険の保険料は給与から天引きされるのがふつうですが、地域保険の場合は口座振替、納付書などにより自ら納めなければなりません。
最後に
職域保険、地域保険、どちらに加入している人であっても75歳になったら(65~74歳でも一定の条件にあてはまれば)、それぞれの保険から脱退し後期高齢者医療制度へ加入することになります。
運営主体は後期高齢者医療広域連合(都道府県ごとの設置で各市区町村が加入)であり、保険料(均等割と所得割)は各後期高齢者医療広域連合が定め、通常は支給される公的年金から天引きされることになっています。