- 2019-9-6
- 個人年金・年金
はじめに
公的年金の保険料は、20歳以上の全ての国民に納める義務があります。
しかし、納付ができない(正当な)理由がある場合に支払いの免除や猶予を受けることが可能です。
今回は猶予制度の解説とメリット・デメリットについてお話していこうと思います。
納付猶予制度について
収入の問題などで長期間年金が納付できない場合、未納状態が続くことになります。
こういった方のために、2つの制度が用意されています。
まず免除制度。
個人の収入だけではなく同居中の家族の所得額によって全額・半額免除、4分の3、4分の1免除となり、免除できる金額が変動します。
納付が未納状態になっている扱いにはなりませんので、年金受け取り資格も有した状態のままです。
ただ、世帯主や配偶者の所得額が基準以上になると免除の対象になりませんので注意が必要です。
免除制度の対象外だった方は、猶予制度の申請をしてみましょう。
この制度は、経済的な理由などで保険料の納付ができない方を対象に保険料の後払いができる制度です。
この制度は、申請者本人と配偶者の所得額が審査の対象となります。そのため免除制度よりもハードルが低く、制度を利用しやすくなっています。
老齢基礎年金を満額受け取りたい場合は、猶予期間中の保険料を収入が安定したときに全額追納しましょう。
猶予を受けた際のメリットとデメリット
実際に納付猶予制度を申請する前にメリットとデメリットを確認しておきましょう。
まず、メリットのひとつとして納付猶予期間中も老齢基礎年金や障害基礎年金、遺族基礎年金の受給を受けることができます。ただ、老齢基礎年金については納付猶予期間中の年金額の計算に反映されないので注意が必要です。
デメリットについては、先に書いた納付猶予期間中は老齢基礎年金の計算は反映されないことと、納付猶予期間中の納付額を3年目以降に支払った場合、利子が発生してしまうことです。
将来、満額受け取るには40年の保険料納付済期間が必要になります。
もし生活が安定し経済的な余裕が出たときに納付猶予期間中の金額を後払いすれば、年金を満額もらうことができますので、制度の利用が必要であれば申請しておきましょう。
まとめ
今回は「年金の猶予制度とは?」というテーマでまとめてみました。
今後の低年金や無年金状態で生活保護の申請が増えることを見越し、制度を利用する際の審査基準が見直されています。制度の内容とメリットやデメリットを踏まえ、専門家と相談し、所得条件や申請期間などを確認して申請してみましょう。