- 2021-7-26
- 個人年金・年金
はじめに
現在の日本における公的な年金制度において、基礎となるのは国民年金。
会社員や公務員などお勤めをされている方の場合は、これに厚生年金が加わります。
ところで、この国民年金の制度が始まったのは1961年。
今から60年前に国民皆保険の仕組みが始まったわけです。
今回は、この国民年金における老齢基礎年金受給額の推移などについて紹介していきます。
なお、下記の受給額はすべて満額の場合のものとなっています。
老齢基礎年金受給額の推移
制度ができた1961年の受給額は24000円でした。
と言っても、これは月額ではありません。
年間でこれだけの額だったのです。
当時の初任給は大卒で約13000円、高卒で8000円ほど。
かけそば1杯がだいたい40円で食べることができた時代です。
そのような物価の違いを考慮しても、一ヶ月当たり2000円という額はそれほど多いとは言えないかもしれません。
この状態は5年ほど続き、1966年には給付水準の見直しが行われ、年額で60000円の受給となります。
夫婦二人世帯であれば、1世帯ひと月10000円を受給できるようになったわけですね。
このころの日本はちょうど高度経済成長期と呼ばれる時代。
著しい経済成長を遂げ、給料や物価の水準も上昇していきます。
それにともなって受給額のほうも上昇。
1969年には年額で96000円となりました。
1970年代以降も受給額は上昇を続けます。
1973年には物価スライドの導入および賃金の再評価が行われ、受給額は年額で240000円に。
その後、1980年には500000円を超え、それからも上昇は続いて、1999年には804200円にまでなっています。
しかし、受給額の上昇はここまで。
そこからは70万円台後半で微増と微減を繰り返し、2021年度の受給額は780900円となっています。
受給額以外の変化
受給額以外の変化についても紹介しておきましょう。
大きく変化したものと言えば、現役世代の間に支払う保険料の額。
1961年当時は年齢によってその額が異なり、34歳以下は100円、35歳以上は150円でした。
2021年度では16610円ですから、実に110倍もしくは166倍にも増えたことになります。
一方で、当時と変わらないものもあります。
それは受給開始年齢。
これは今も1961年当時も65歳で変わっていません。
最後に
今年で設立60年となる国民年金の制度。
少子高齢化が進む中にあっても制度を維持するための対策がされているおかげで、年金がなくなってしまうということはおそらくないと思われます。
しかし、その制度のおかげで受給額は目減りしていくことが予想されています。
安定した老後の生活を送るためには公的な年金だけを頼りにするのではなく、自分からも何らかの対策は行っておくべきと言えるでしょう。