- 2025-12-16
- 個人年金・年金

会社員とは異なり、個人事業主は自らの判断で将来の年金対策を講じる必要があります。公的年金に加えて、どのような制度に加入すればよいのか、どのように備えれば安心なのか。この記事では、個人事業主が知っておくべき年金制度の基本から、老後資金の計画までを段階的に解説します。
目次
- 個人事業主が加入する公的年金制度とは
- 国民年金だけでは足りない?その受給額の現実
- 国民年金基金で年金を上乗せする方法
- 小規模企業共済による“退職金”の備え
- 年金対策を始めるタイミングと注意点
- まとめ
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個人事業主が加入する公的年金制度とは
個人事業主は原則として国民年金(基礎年金)に加入します。これは20歳から60歳までのすべての国民に義務付けられているもので、会社員が加入する厚生年金とは異なり、基礎年金のみの支給となります。2025年度現在の国民年金保険料は月額約17,000円ほどで、年に換算すると約20万円強となります。
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国民年金だけでは足りない?その受給額の現実
国民年金のみの受給額は、40年間満額納付しても年額約80万円(月約6.6万円)程度です。これは、老後の生活費としては明らかに不足しています。特に個人事業主の場合、退職金制度もありませんから、老後の資金は自分で備える必要があるのです。
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国民年金基金で年金を上乗せする方法
国民年金基金は、個人事業主が加入できる公的年金の“上乗せ”制度です。掛け金は全額所得控除の対象となり、節税効果も期待できます。終身年金や確定年金など、ライフスタイルに合わせて複数の型を選べるのが特徴です。たとえば「60歳までに月2万円を納め、65歳以降に月7万円受け取る」といったプランが可能です。
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小規模企業共済による“退職金”の備え
小規模企業共済は、個人事業主が自分で積み立てる退職金制度です。毎月1,000円〜70,000円まで自由に掛け金を設定でき、廃業や引退時にまとまった金額を受け取ることができます。掛け金は全額所得控除対象で、元本保証があり、事業資金としての借り入れにも利用可能です。
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年金対策を始めるタイミングと注意点
年金対策は「早く始めるほど有利」です。なぜなら、長期積立により運用効果が高まるためです。また、所得控除など税制上の優遇も早期に受けることができます。ただし、無理のない掛け金設定や、事業収支に応じた見直しを行うことが大切です。さらに、公的保険料の未納は将来の受給額に直結するため、国民年金の納付忘れは避けるべきリスクです。
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まとめ
個人事業主は、会社員のように厚生年金や退職金があるわけではありません。その分、自分自身で将来を設計し、複数の制度を活用して備える必要があります。国民年金を土台に、国民年金基金や小規模企業共済などを組み合わせることで、老後に安心できる資金を形成していくことが可能です。今日から少しずつ、「未来の自分への仕送り」を始めてみましょう。













