年金の財源の仕組み、どうなっている?

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はじめに

最近多くの人が気になっていることに「本当に将来、年金がもらえるのだろうか?」という問題があります。
例え問題があったとしても、全国民が成人すると加入することになっており年金を何の申請もせずに払わなければペナルティが発生するので難しい問題です。
年金を将来もらえるかという不安を解消する一つの方法として、まず年金やその財源の仕組みについて今回お話したいと思います。

私たちが払ったお金が老後に戻ってくるわけではない?

「成人として働いて年金の保険料を納めていると、それが国の金庫にしまわれ、その払った分が老後に受け取れる」
・・・というものが年金制度ではないかと漠然と考えている方もいるかもしれません。
このような仕組みは「積立方式」と呼ばれます。
しかし、年金制度は「賦課(ふか)方式」と呼ばれるもので、現役の世代が納めた一部を積立金として運用するものです。

今、「私たちの納めたお金」が「年金をもらっている世代の方々の年金」へ使われているということです。
ですので、よくニュースで年金の問題としていわれていることは、働く世代の人数が減ってしまうと、それだけ将来働く世代の一人一人が背負う(年金を納める)額が右肩上がりに増えていき、制度自体が破綻するのではないかと危惧されています。

しかし、この見方は間違っていないにしろ多少一方的な論理ともいえます。
それがなぜかを理解するためには年金運用のための財源や運用方法を知る必要があります。

年金の財源や運用方法

では実際の財源やその増やし方(運用)を見ていきましょう。

財源

厚生労働省によると、2016年度の年金財源の総額は約56兆円。
その内訳は私たちが直接納めている「保険料」が63.9%で最も多くを占めています。ほかに「国庫・公経済負担」が22.1%、「運用収入」が2.4%でその他が11.6%となっています。

運用方法

つまり、年金は私たちの保険料「だけ」でできているわけではなく、運用している「動いているお金」です。
100年後も制度が成立し続けられるように公的年金は、少なくとも5年に1度は人口・物価・賃金上昇率などあらゆるケースを想定して財政検証が行われています。
2014年の財政検証においては「2110年の積立金がそのときに支払う年金の1年分になるよう」見通しを立てて、実際に100年近く後の年金運用のための数字を今から計算しているわけです。

実際にその年金となるお金を運用しているのが「年金積立金管理運用独立行政法人」で通称GPIFです。GPIFの運用目標は名目賃金上昇率+1.7%を最低限のリスクで確保することとしています。
この数字を維持できていれば50年後も100年後も年金制度が運営できることになります。

年金の積立金をどのように運用しているかというと、半分が株、その他債券、オルタナティブ資産への投資(株や債券以外の不動産や未公開株に投資すること)を行っています。
株や投資などというと「不安定なものではないか?」と心配になりますが、インカムゲインは2001年から2017年になるまで安定して右肩上がりの収益を得ています。
そして、仮に運用がマイナスになった年があったとしても年金受給者の受給額が減少することはありません。

確かに老後に確実に安定するといった方法はないかもしれませんが、少なくとも年金保険料を払わないことがあると、満額払った人よりは損をすることはまちがいないといえるでしょう。

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