- 2020-12-16
- 個人年金・年金
はじめに
将来、受取額が減り老後の生活ができなくなるのではないかと盛んにうわさされる年金。
実際、年金受取額はどのように推移しているのでしょうか。
またこれからの推移の予測も見ながら、考えていきたいと思います。
国の年金対策はどうなっている?
日本の年金は、現役時代が支払った保険料で現在の年金受給者への給付をまかなっています。
これを「賦課方式」といいますが、現在少子高齢化が進み、「現役世代」の人数が少なくなりつつあることから年金が減る、または破綻するなどとうわさになっているのです。
ただこれを国が手をこまねいて見ているわけではありません。
5年に1回、年金が今後約100年間(財政均衡期間)の年金財政が健全であるかどうかをチェックし、問題があれば対策をとるようにしています。これを「財政検証」といいます。
実際の年金受給額の推移は?
しかし国がいくら「年金は大丈夫です」といったところで、本当に大丈夫かどうかは誰にもわからないとところです。
そこで実際に近年の数年間における年金受給額の推移を見ていきましょう。
まずは、国民年金の平均月額からです。
2013年度…月額5万4544円
2014年度…月額5万4414円
2015年度…月額5万5157円
2016年度…月額5万5373円
2017年度…月額5万5518円
(厚生労働省年金局の平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況より抜粋)
次に、厚生年金保険の受給権者の平均月額です。
2013年度…月額14万8409円
2014年度…月額14万7513円
2015年度…月額14万7872円
2016年度…月額14万7927円
2017年度…月額14万7051円
(厚生労働省年金局の平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況より抜粋)
上記のデータを見ると、数年間ではさほど推移していないように見えます。
国民年金は少しずつ金額が上がっているように見えますが、これは国民年金保険料の未納に対する罰則が強化されたことが一因となっています。
それでも年金は減る?
前述の年金受給額の推移を見ると、どんどん額が減っていくというような感じは受けません。もし目に見えて受給額を減らせば国民からの反発は必至なので、国も大きな額で動かすことはしないのです。
しかし少子高齢化が進むにあたり、やはり年金保険料を納める人が減っていく将来は避けられそうにありません。納める人が減っても年金制度は維持しなくてはいけないので、結果として年金の受給額を減らすという方向性になることは間違いがなさそうです。
国民にできる対策とは
残念ながら年金制度は保てても、将来の年金受給額が減る傾向にあるといえるでしょう。
私たちにできる対策例としては、厚生年金加入者の場合、厚生年金の受給額は納めた保険料に比例して計算がされます。加入期間が長いほど、受け取ることができる年金の額が増えます。
国民年金加入者の場合、年金を納めるのは60歳までとなっていますが、その後も国民年金に任意加入すれば60歳以降から65歳までの間、年金保険料を納めることができ年金受給額が増えます。
またどちらの加入者も、今の時代は70歳までは働く、働けるようにするという目標が好ましいでしょう。そうすれば70歳までの安定した収入も期待できますし、健康維持を心がけることができます。
また、iDeCo(個人型確定拠出年金)・NISA(小額投資課税制度)を利用したり、民間の保険会社を利用して老後資金を準備することも「自分なりの老後へのプラン」も有効な対策となるでしょう。