年金生活、老後はいくら必要

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老後の定義は難しいものです、何歳から老後と呼ぶかは各個人が感じるもので法的に何歳からが老後かという決まりはありませんが、一つの考え方として退職後公的年金などが主な生活費となった時期からを老後と呼ぶという人も多いようです。今回は、この老後における年金生活以外にお金はいくらかかるのか見てまいりましょう。

老後の生活

退職または自営業の場合、引退などでリタイア生活に入ったら生活費は毎月、幾らくらい必要なのでしょうか。勿論、家族構成や持ち家で有るのかなど自身を取り巻く環境により、その金額は違った物になります。

年金生活で暮らしていけるのであればそれほど大きな問題ではないと思いますが、年金だけで生活できる方は残念ながらそれほど多くないと言われています。それでは老後の生活には幾らくらいかかるのか見てまいりましょう。

2015年の総務省統計局の家計調査年報を参考に見てまいりますと、2人以上世帯での1ヶ月あたりの消費支出は下記のような金額が報告されています。

50歳~59歳の世帯:33万9,967円
60歳~69歳の世帯:28万9,289円
70歳以上の世帯:23万9,454円
以上が消費支出となります。

消費支出とは一般的に家族や個人が、一般生活を維持するための支出を言います。これは、食料費・住居費・光熱費・交通通信費・娯楽費などがあたります。この消費支出以外に非消費支出という税金や社会保険料なども支出として考えなければなりません。

以上を元に計算してみますと、老後に必要な生活費はかなりの高額になってしまいます。

金融広報中央委員会が出している「家計の金融行動に関する世論調査(2015年調べ)」から見ますと、老後に必要なお金に関する集計結果は下記の通りです。
●老後の1ヶ月での最低予想生活費は27万円
●年金支給開始までに貯めておきたい理想貯蓄額2,173万円

これは生活費に注目してみた場合、厚生労働省が発表した平成28年度のモデル世帯の1ヶ月の老齢年金受給平均額22万1,504円では、約5万円年金だけでは足りないと言えます。現実問題として年金だけでは生活が出来ないという事になります。

年金はいったい幾ら貰えるのか

年金は国民一律で支給されるものではありません。納めてきた年数や国民年金なのか厚生年金なのか年金の種別で受給額は異なります。その額の差は想像以上に大きなものであるのが現実です。

厚生労働省が発表しているモデル世帯の年金受給額は、2016年の場合、国民年金では6万5,008円、厚生年金は夫婦の場合22万1,504円となります。しかもこれは年金を滞納無しで満額支払った場合です、未納などがあれば減額されます。

国民年金と厚生年金共に、特に国民年金の場合ですと予想生活費の27万には到底届くものではありません。これらの試算をもとに老後までに、最低2,000万円以上貯蓄をしておかなければ生活が立ち行かなくなるという事なのです。

誰しもいずれ訪れる老後の生活を考えますと、もはや年金だけで豊かに暮らしていける方はほぼいらっしゃらないという事になってしまいます。これが年金問題と呼ばれているものです。

最後に

老後に備える事は自身の人生にとって重大な問題であり、早くからその事に注目し対策を立てなければ、豊かな老後を迎える事は厳しいのが現実の問題です。とは言え年金も立派な収入源には違いありませんので、滞納や未納は防ぎたいものです。

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