年金と厚生年金の違いとは?知っておきたい制度の基本と特徴

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老後の生活設計に欠かせない年金制度ですが、日本には国民年金と厚生年金という2つの主要な公的年金制度が存在します。この2つはどちらも老後の所得を支える重要な制度ですが、その内容や加入対象、受給額などに大きな違いがあります。本記事では、国民年金と厚生年金の違いについて、具体的な特徴や仕組み、加入方法、そして将来の受給額の差などを詳しく解説いたします。

 

目次

  1. 国民年金と厚生年金の基本的な違い
  2. 加入対象者の違い
  3. 保険料の支払い方法と負担額の違い
  4. 受給額と給付内容の違い
  5. まとめ

 

  1. 国民年金と厚生年金の基本的な違い

国民年金と厚生年金は、日本の公的年金制度の中核を担う2つの制度です。国民年金は基礎年金とも呼ばれ、全ての国民が加入することが義務付けられています。一方で、厚生年金は主に会社員や公務員が加入するもので、国民年金に上乗せされる形で運用されています。つまり、厚生年金に加入している人は、国民年金と厚生年金の両方を受給することになります。この違いは、将来受け取る年金額や保険料の負担に大きく影響します。

 

  1. 加入対象者の違い

国民年金の加入対象者は、日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人です。これには自営業者、学生、フリーランス、無職の人などが含まれます。これに対して、厚生年金の加入対象は会社員や公務員など、一定の雇用条件を満たす労働者です。特に、週20時間以上働くパートタイマーやアルバイトでも、一定の収入や勤務期間があれば厚生年金に加入する義務があります。このように、働き方や雇用形態によってどちらの年金に加入するかが決まります。

 

  1. 保険料の支払い方法と負担額の違い

国民年金と厚生年金では、保険料の計算方法と負担額に明確な違いがあります。国民年金の保険料は定額制で、2024年度の保険料は月額16,520円(予定)です。この金額は収入に関係なく一律で、自営業者やフリーランスの人は全額自己負担となります。一方、厚生年金の保険料は所得に比例して決まり、給与や賞与に基づいて計算されます。さらに、保険料の半分は雇用主が負担するため、個人の負担は国民年金よりも軽くなる場合があります。これにより、同じ収入でも負担額や将来の受給額が異なります。

 

  1. 受給額と給付内容の違い

受給額においても国民年金と厚生年金には大きな違いがあります。国民年金の受給額は一律で、2024年度の満額支給額は年間約795,000円です(40年間の全納付が前提)。これに対して、厚生年金の受給額は加入期間と収入額によって異なり、国民年金に比べて高額になる傾向があります。厚生年金を受給する人は、国民年金部分と厚生年金部分の二重構造で支給されるため、会社員として長く働いた人は年間で数百万円の年金を受け取ることも可能です。さらに、厚生年金には遺族年金や障害年金などの付加給付も含まれており、保障内容が充実しています。

 

  1. まとめ

国民年金と厚生年金は、それぞれ異なる役割を果たしています。国民年金は全ての人が加入する基礎年金であり、厚生年金は会社員や公務員が対象となる上乗せ年金です。保険料や受給額、保障内容に違いがあるため、自分の働き方やライフプランに応じて適切な制度に加入し、老後の生活設計をしっかりと考えることが大切です。特に、自営業者の方は補完的な資産運用や保険を検討し、会社員の方は厚生年金のメリットを活かして計画的な老後資金の準備を進めましょう。

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