医療保険の契約者変更について

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はじめに

医療保険に加入する際、一般的には契約者・被保険者・受取人は同一人物とすることが多いでしょう。
しかし、事情によってはそれぞれが異なっていて、後から変更するというケースもあります。
そこで今回は、どのような場合に医療保険の契約者が変更となるのかについて考えてみたいと思います。

契約者を変更するケース

契約者変更となるのは、以下のようなケースが考えられます。

子どもの医療保険

成人する前のお子さんを被保険者とし、契約者と受取人は親御さんで医療保険に加入することは多いと思います。
よくあるパターンとして、お子さんが成人して自分で保険料を支払えるようなると、契約者と受取人もお子さん自身に変更することがあります。

離婚した場合

夫婦で医療保険に加入し、妻が契約者と受取人、夫が被保険者、もしくはその逆というのも多いケースです。
このような加入形態で離婚してしまったケースには、契約者と受取人を被保険者自身に変更することになるでしょう。

姓が変わった場合

結婚などで姓が変わっても保険契約をそのままにしていて、万が一給付金を請求する事態になってしまった場合、診断書に記載されている姓が契約者のそれと異なっていては手続きがスムーズに進まない恐れがあります。
したがって、契約者・被保険者・受取人が自分自身として加入しているケースでも姓が変わったときには契約者(の姓)を変更する必要があります。

なお、結婚する前と結婚した後では医療保険に対するニーズが変わってくるのが普通です。
契約者の姓変更の手続きをするときには、補償内容の見直しも一緒に行うのがオススメです。

法人から個人へ変更する場合

中小企業の経営者などが自らを被保険者にし、契約者と受取人は法人名義として終身タイプの医療保険に加入するケースがあります。
このケースでは、数年程度の短期間のうちに保険料全額を支払い、その後に契約者と受取人を経営者個人の名義に変更するというのがよくあるパターンです。

こうすることで経営者は個人としてはほとんど経済的な負担なく、会社の経費(損金)で終身の医療保障を得ることができるわけです。

このタイプの医療保険は短期間のうちに多ければ数百万円にも上る保険料を支払い、それを支払い期の損金として処理できたことから節税対策としても人気を集めていました。
しかし、「法人税基本通達」の改正に伴って2019年10月8日以降は、保険料が30万円超(被保険者1人あたり)となる場合にはその全額を資産として計上し、保険期間の経過に応じて損金として処理しなくてはならなくなりました。
つまり、節税の効果はほぼ無くなることとなりましたのでご注意ください。

最後に

医療保険の契約者を変更すると、被保険者や受取人との関係によっては所得税や贈与税、相続税などの税金を課せられる場合があります。
この点に関しては、普通保険会社が詳しく把握しています。
必要書類や手続きの件も含めて契約者を変更する場合には早めに保険会社に相談するようにしましょう。

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