ピロリ菌のリスクと医療保険金がおりる可能性について

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はじめに

胃の病気として知られる胃腸炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍などは、胃の粘膜に生息するピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)という細菌が原因といわれています。
さて、ピロリ菌による胃の病気には他にもありますが、これまでは先に挙げた胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった病気にのみ公的医療保険が適用されていました。
しかし2013年2月、ピロリ菌による慢性胃炎に対しても薬の効果や安全性が証明されたことから、公的医療保険の対象に加えられました。
この記事では、ピロリ菌のもたらす病気についてと公的医療保険の適用範囲、民間医療保険での保険金がおりる可能性について紹介したいと思います。

ピロリ菌とは?

ピロリ菌は、人の胃から発見された感染力の弱い細菌です。
しかし免疫力の弱い子どもが感染すると胃の粘膜でアンモニアを発生させます。
アンモニアは胃の粘膜に炎症を起こし、これが繰り返されることで慢性胃炎を引き起こします。
ピロリ菌によって攻撃を受けた胃の粘膜は、防御反応で抗体をつくり菌が住めないよう変化します。しかし、これが上手くいかないと粘膜が修復されず、萎縮性胃炎となり、やがて胃がんの発生につながる可能性があります。
それため定期的な検査と細菌除去が重要であり、公的医療保険では現在2回目の細菌除去までが保険の対象範囲となっています。

ピロリ菌に感染していたとき保険金はおりるか?

ピロリ菌は、日本人の中高年のおよそ過半数に感染が見られるといわれています。
ですから、それと知らずに民間医療保険に加入している方も多いと思われます。
告知義務は、民間医療保険加入時に重要とされる、個人の体調に関する情報提供です。
もちろんピロリ菌検査で陽性となったときや、細菌除去を行ったときは、必ず告知しなければいけません。
しかし、それと知らずに保険に加入した場合は、それを問われることはなく、保険金もおります。さらに加入後にピロリ菌感染がわかった場合でも、告知義務はないようです。

告知義務で問われることとは?

告知義務でおもに問われるのは「過去3か月以内に、医者から検査・治療・投薬を勧められたか?」「過去5年以内に、特定の疾患やけがで診察・検査・治療・投薬を受けたか?」
あるいは「過去2年以内に、健康診断等で異常が指摘されていないか?」という3点です。
もし、ピロリ菌による慢性胃炎などの体調不良がある場合は、健康診断等で健康異常が指摘され、再検査をすすめられることでしょう。
もちろんその場合は、告知審査にも引っ掛かる可能性も高くなります。
しかし、きちんと細菌除去治療を受け、完治を証明する書類を告知書に添付して提出すれば加入できる民間医療保険も見つかる可能性が高くなります。

まとめ

中高年の多くが感染しているといわれるピロリ菌ですが、医学的に完治が証明されていれば加入できる保険商品もあります。
ただし、検査・治療を受けているが完治にいたっていない場合などは「部位不担保」という条件が加わることがあります。
これは特定の疾患に限りおよそ1年から5年間、給付金の対象から外されるというものです。(部位不担保の期間は保険会社ごとで異なります)
このリスクを避けるためには、ピロリ菌が完全消滅したという医療機関の証明を受けたのちに、医療保険の加入を検討することが得策です。

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