医療保険における無保険者の問題

2217387_s

日本では1961年に国民皆保険という制度が制定され、国民全員が公的医療保険に加入する事になりました。当時の日本のGDPは19兆円程度でありこれは一人当たりで見てみますと、アメリカの5分の1、イギリス・フランスの4割程度でした、この様な時代に国民皆保険を実現させたことは奇跡と言われたほどです、今回は医療保険について見ていきましょう。

国民皆保険

国民皆保険とは端的に言えば、国民すべてが公的医療保険に加入するといった我が国の医療保険制度の事を言います。つまり、日本国民であれば誰しもが日本全国の医療機関で医療を受けられる事です。

この国民皆保険は、世界各国全てに存在するものではありません。この制度は世界に誇れるものといえます。世界的に見ても高い評価を受けているものといえます。日本には国民健康保険から始まり色々と種類がありご自身に合ったものに加入する仕組みです。

種類としましては
●国民健康保険
自営業者や企業に勤めていない方などが加入する保険です。例えば現在無職の方でも加入は可能です。

●健康保険組合
主に大企業と呼ばれる規模の大きな企業にお勤めの方が対象の保険です。お勤めの方の家族もこの保険に加入する事も多い保険です。

●全国健康保険協会
上記の健康保険組合に加入していない中小企業などの従業員の方とその家族が加入する保険です。

●共済組合
これは公務員の方とその家族が加入できる保険です。「国家公務員共済保険」と「地方公務員共済組合」があります。

●後期高齢者医療制度
その名の通り75歳以上の方が加入する保険です。

健康保険組合・全国健康保険協会・共済組合は上記にも記載いたしましたが、これらは「被用者保険」とも呼ばれその企業の従業員のみに限らずその扶養家族の方も加入できるのが大きな特徴です。

日本国民であれば、生まれてから生涯を終えるまで日本で過ごしている限り、上記に記載したいずれかの保険に加入しているという事になります。医療保険は怪我や病気になった際に医療費の自己負担金を1~3割を支払えばよいという制度です。

保険料

国民健康保険の場合、支払う保険料は前年の所得と加入者数、並びに年齢で計算されます。この所得とは一般的には収入から必要経費を差し引いた金額を指します。

注意事項として、生活保護受給者などその一部の方を除いて、日本国に住所を持つ全ての方には医療保険制度に加入する事が法的に義務付けられています。したがって、無収入であっても健康保険料は支払わなければなりません。

無保険者

これまで説明したように日本国民である以上何らかの医療保険に加入しているはずなので、理論上、日本に住む(住所を持つ)場合、無保険者は存在しないはずですが近年、無保険者の数が増加しているとの報告もあります。

失業やその他の理由で、入りたくてもいずれの保険にも加入できないといった状況の人が、存在するという事です。また、国民健康保険に加入はしているが保険料の滞納などにより実質無保険状態に追い込まれてしまっているという事も現実的には存在します。

これらの問題を解決する決定的な手段は今のところ生活保護の申請といった物しか見当たらないのが実情です。無保険状態では生命の危険にもさらされるといった事にまでなりかねない大きな問題ですが、決定的な解決策はあまり多くはないのが現実です。

最後に

無保険状態からの脱出はなかなか難しいものですが、役所などに相談しながら一刻も早くその状態から抜け出す方法を検討する事が重要です。憲法にもある通り日本国国民は「生存権」があります。安心して暮らしていける方法を探すのも国民の権利です。

関連記事

ページ上部へ戻る