医療保険の乗り換えで損をしないために。見落としがちなデメリットと対策とは?

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保険の見直しをする中で、「もっと安くて内容の良い医療保険があるなら乗り換えたい」と考えるのは自然な流れです。しかし、医療保険の乗り換えには注意が必要です。保障の穴が生まれたり、思わぬコストやリスクが発生することもあります。この記事では、医療保険を乗り換える際の代表的なデメリットと、損をしないための判断ポイントをステップ形式で整理して解説します。

目次

  1. なぜ医療保険を乗り換えたくなるのか
  2. 乗り換えによる主なデメリット
  3. 乗り換えを避けるべきタイミング
  4. 損をしない乗り換え判断のステップ
  5. まとめ
  1. なぜ医療保険を乗り換えたくなるのか

医療保険を乗り換えたくなる理由の多くは、「今より良い条件で加入できるのではないか」という期待感にあります。最近では、保険料が安く、保障内容も充実した商品が続々と登場しているため、自分の契約が古いと感じる方は少なくありません。また、結婚や出産などライフステージが変わる中で「今の保険が自分に合っていない」と思うことも動機となります。さらに、保険営業や広告で「今ならお得」といった文言に背中を押されることもあるでしょう。

  1. 乗り換えによる主なデメリット

保険の乗り換えでまず見落とされがちなのが、年齢による保険料の上昇です。医療保険は加入時の年齢で保険料が決まるため、たとえ同じ保障内容でも、今より年齢が上がった状態での再加入では、保険料が高くなってしまうのが一般的です。

また、加入には健康状態の告知が必要です。現在の保険では保障されていた病気が、新しい保険では「保障対象外」とされる場合があります。過去に入院歴や治療歴がある場合、審査で不利になる可能性もあるのです。

さらに、新しい保険には「待機期間」が設定されていることが多く、加入後すぐには保障を受けられないことがあります。特にがん保険などでは90日間の待機期間が一般的で、この間に発症しても保障されません。

そして、貯蓄型や終身型の保険を途中解約した場合、解約返戻金が大きく目減りすることも。長期加入で得られる特典(無事故割引や終身保障)もすべてリセットされてしまうことを忘れてはいけません。

  1. 乗り換えを避けるべきタイミング

医療保険の乗り換えには「適切なタイミング」があります。たとえば、健康診断で再検査を指示された直後や、すでに病気が発覚して治療中である場合には、どの保険会社も新規契約を断る可能性が高くなります。

また、妊娠中や出産直後も、特に女性にとっては医療保障の対象が限られるケースがあり、出産関連の給付金が出ない場合もあります。高齢者の場合は保険料が跳ね上がるだけでなく、そもそも加入できる医療保険の選択肢が少なくなるという点にも注意が必要です。

現在の保険に10年以上加入しているような方は、長期契約ならではのメリットがついていることが多く、それを手放すデメリットも大きいことを理解しておくべきでしょう。

  1. 損をしない乗り換え判断のステップ

まず最初に、自分が現在加入している医療保険の保障内容と契約条件を詳細に確認しましょう。保険証券や契約時の説明書を見ながら、「入院給付日額はいくらか」「通院や手術に関する保障はあるか」「先進医療特約はついているか」などを整理します。

次に、見直しを検討している新しい保険商品と比較してみます。ただし保険料だけでなく、保障範囲・加入条件・待機期間・更新年齢・特約の柔軟性といった観点で比較することが重要です。

そのうえで、「いまの保障で不足しているのはどこか」「本当に乗り換えなければ解決できないのか」を冷静に見極めます。保険は長く付き合う商品です。「なんとなく」「流行っているから」「営業にすすめられたから」といった理由だけで決断しないことが大切です。

もし乗り換えを前提とする場合は、必ず「新しい保険の契約が成立してから」既存の保険を解約するようにしましょう。保障が一時的にでも切れてしまうと、まさにそのタイミングで病気になるという“万が一”に備えられなくなります。

  1. まとめ

医療保険の乗り換えには魅力的な側面もありますが、同時に「保障がなくなる」「再加入できない」「保険料が上がる」といったデメリットも潜んでいます。今ある保障が自分にとって適切かを確認することは大切ですが、「乗り換えることで本当に得になるか」は慎重に見極める必要があります。

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