- 2020-5-21
- 国の医療福祉制度の将来
はじめに
「マイナンバーカードが保険証代わりに使える」というニュースを聞かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは2019年5月の「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」の成立に伴うもので、予定では2021年の3月から利用ができることになっています。
そこで今回は、保険証の代わりにマイナンバーカードを使うことで便利になる点や手続きの仕方などについて紹介していきたいと思います。
どう便利になるのか?
ではまず具体的にどう便利になるのかという点から見ていくことにしましょう。
医療費控除の手続きが楽ちんに
年間で自己負担として支払った医療費が一定の額(一般的には10万円)をオーバーした場合、医療費控除という形で還付金を受け取ることができます。
ただし、この制度を利用するためには年末調整のあるサラリーマンの場合でも領収書などを添えて確定申告をしなければなりません。
ところが、今回導入されるシステムを利用すればネット上で簡単に手続きを行えるようになり、領収書の保管や計算などを行う必要がなくなります。
医療の質の向上が期待できる
本人の同意があれば、医師や薬剤師が過去の薬や検診の情報をオンライン上で確認できるようになりますので、これに伴って医療の質の向上が期待できます。
マイナンバーカードだけ持っていけばOK
高齢受給者証や限度額適用認定証を使って受診する場合でも、それらの書類を持参せずマイナンバーカードだけ持っていけば大丈夫になります。
また、就職・転職などで保険証が切り替わるタイミングでも、その手続きの完了を待たずにマイナンバーカードだけで保険診療を受けることができるようになります。
受付がスムーズに
カードリーダーにマイナンバーカードをかざした後は顔写真の確認を行うだけなので、受付での確認手続きがスピーディかつスムーズになります。
利用のための手続き
このシステムを利用するためには、政府の運営するオンラインサービス「マイナポータル」での登録が必要となります。
実際に手続きをしておきたい方やサイトの内容を知りたい方は「マイナポータル」で検索してみて下さい。
なお、利用するために必要なカードは顔写真の入った「マイナンバーカード」であり、マイナンバーを通知するための「通知カード」ではありません。
マイナンバーカードをお持ちでない場合は、まず交付申請が必要となります。
最後に
マイナンバーカードを使うとなると、気になるのが個人情報の問題ですよね。
ですが、病院や薬局の受付ではマイナンバーカードのICチップに内蔵された情報で確認を行うためマイナンバーの数字が使われることはありません。
万が一、番号を知られたとしても他人が本人に成りすまして手続きをすることはできないようになっています。
また、受診歴や薬の情報といったデリケートなプライバシー情報がICチップに記載されることもないとのことです。