将来への不安、原因と対策を考える

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【はじめに】
日本には、将来に明るい展望が持てないという人がたくさんいます。この場合の将来というのは、主に老後のことを指していると考えて良いでしょう。
今回は、多くの人が抱いている将来への不安の原因と、対策について見ていきたいと思います。

【不安の原因と対策】

1.なぜ不安なのか
まず、多くの人が将来の生活に不安を覚える原因を考えてみたいと思います。

・長寿化
厚生労働省の「平成29年簡易生命表の概況」によると、1947年から2016年までの70年間の間に、日本人は男女ともに長寿化しました。
第二次世界大戦終戦から2年しか経っていない1947年時点での日本人の平均寿命は、男性50歳、女性54歳。
それに対し2016年の平均寿命は男性81歳、女性87歳で、30年以上寿命が延びたことになります。
もちろん、長生きは本来喜ばれるべきことなのですが、少子高齢化により年金や医療費が占める財政の割合が増えたことで、老後の生活への不安を抱く若者も出てくる事態となってしまいました。

・年金制度
年金制度ができた当初は、受給開始年齢も平均寿命より後の55歳だったことや、若者と子供の数も多かったことから、働き盛りの世代が高齢者を支えるという図式が成り立っていました。

しかし、国が豊かになった現在は少子化が進み、将来的には年金制度が成り立たなくなるのでは?という懸念が出てきています。

また、現在働き盛りの世代は年金の払い損になるかもしれないと考える人もいます。
ですが、年金制度はそう簡単に破たんするものではありません。

年金には、どんな立場の人でも加入する国民年金と、主に会社員や公務員などが加入する厚生年金があります。

厚生年金に関しては、雇用主が半分、労働者が半分負担することになっています。
また、労働者の年金は給料から自動的に引かれるので、職場が不正を働かない限り未納になることはありません。

そのため、年金制度はそう簡単に破たんしないと考えられます。
しかし、今の若者が高齢者になる頃には、もらえる額が減っている可能性は高いです。
政府は現在、年金制度を存続させるための対策として厚生年金の加入範囲をパートまで拡大することを検討しているようです。

2.対策
・長く仕事を続ける
正規雇用が当たり前だったころは、60歳で定年退職する人が大多数でした。
今も、60歳でいったん退職となる職場が多いでしょう。

しかし、年金だけでは暮らしていけないことや、国民年金の受給年齢引き上げなどの問題から、60歳を超えても非常勤で働く人も増えています。

「何歳になったら退職」という概念そのものが曖昧になりつつあります。
会社も国も充てにならないなら、生涯現役でいられるように、自分が好きな仕事や好きな働き方を模索してみてもいいのかもしれません。

・個人年金に入る
個人年金とは、民間の保険会社が出している積立型の年金です。
加入して保険料を払うと、設定した満期に受け取ることができます。
公的年金の受給開始までの生活費を用意したい人や、個人事業主など厚生年金の保障が受けられない人向けに販売されています。

また、確定申告の際に一定の所得控除を受けることができます。
今のところは、医療保険や生命保険と比較すると加入者は少ないですが、フリーランスとして個人でお金を稼ぐ人も増えてきているので、今後は需要が高まるかもしれません。

【最後に】

今回は、将来への不安の原因と対策についてまとめました。
2000年辺りまでは、就職してから退職するまで同じ会社で働いて、退職後は生活していけるだけの年金を受け取って人生を終えるというのが一般的でした。
しかし、良くも悪くも時代が変わってしまい、そういう前提が覆されつつあります。今後は、今までよりもいろいろな角度から自分の生き方を考えなくてはならないのかもしれません。

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