- 2018-8-22
- 個人年金・年金
【はじめに】
年金分割では夫婦それぞれが持つ厚生年金や共済年金などの年金記録を多い側から少ない方へ移すことによって将来受け取る年金額が分割されます。
また離婚時における「年金合意分割」は平成19年度4月より施行された制度で施行以前の婚姻期間においても適用されるとされています。
今回、この年金分割の合意分割について紹介したいと思います。
【合意分割のための条件】
合意分割をするためにはいくつか条件があります。
1. 年金分割の請求時効に達していない
年金分割の手続きは離婚から2年以内に行わなければ、その請求権を失ってしまいます。
つまり、年金分割の請求権の時効は2年と言うことができます。
2. 按分割合の設定がされている
按分割合とは年金の受取額をどれくらいに設定するのかその割合のことを指しますが、この割合は決められた範囲内であれば夫婦間で決めることができ、夫婦が按分割合に合意して年金の分割をすることを「合意分割」と言います。
合意分割をする際には年金事務所や共済組合などに年金記録の改定をしてもらう必要がありますが、按分割合は夫婦の一方が勝手に決めて改訂請求できないようになっています。
また、夫婦間で按分割合を決めることができない場合には家庭裁判所が間に入って決めることもあります。
3. 3号分割でない期間が存在していること
3号分割とは、婚姻期間中に国民保険の第3号被保険者だった期間について配偶者の合意なしに年金分割できる仕組みのことです。この場合年金記録の半分を強制移動するので夫婦の合意は要りません。
ですから、たとえ婚姻中に共済年金や厚生年金の記録があったとしてもそのすべてが3号分割の対象だった場合には合意分割はできないということになります。
4. 婚姻中に厚生年金や共済年金に加入していた場合
婚姻中の一時期でも共済年金や厚生年金に加入していた場合には合意分割の最低条件を満たします。この場合夫婦の一方、又は双方が加入しているのが条件になりますが会社員だからと言って厚生年金に確実に加入しているわけではないので注意が必要です。
【まとめ】
いかがでしたか?基本的に按分割合は夫婦間の協議によって決められますが、争いになってしまう場合には裁判所などの第三者が間に入ることもあります。
また、今回割愛させていただきましたが、年金分割の按分割合には上限、下限が定められていて夫婦が勝手に分割する割合を全て決めて良いというわけでもありません。
例えば按分割合の上限は50%で最低でも平等以上にならないように配慮されています。
年金の合意分割について正しい知識を得て役立てていただけたら幸いです。