年金受給者のふるさと納税について

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はじめに

出身地あるいは自分がお気に入りの地方自治体へ寄付をすることにより、特産品をもらえたり、税金の控除・還付を受けられたりする「ふるさと納税」という制度。
この記事では、年金受給者でもこの制度を利用できるのかどうかについて説明します。

ふるさと納税とは

まずは、ふるさと納税とはどういうものなのかについて説明します。
地方出身者の場合、ある程度の年齢になると生まれ育った土地を離れ、東京や大阪といった都市へ移住するケースが少なくありません。
もちろん、その人がその年齢に成長するまで受けてきた住民サービス(教育や医療など)は、生まれ育った自治体によって提供されていたものです。
ところが、住民税などの税金は、自分が住んでいる(住民登録をしている)自治体に納めるのが原則です。
このため、移住後はその移住先の自治体に対して納税をすることになります。
そうなると、住民サービスを提供してきた出身地の自治体の税収が増えることはありません。
そして、このようなケースが積み重なっていくと、都市と地方の間に地域格差が生まれてしまうことになります。
このような問題を多少なりとも是正する方法として作られたのがこの制度なのです。

なお、「納税」という名前が付いていますが、正確にはこの制度を利用して行えるのは、特定の自治体への「寄付」です。
ただし、寄付した分の金額については、住民税の控除や所得税の還付を受けることができます。
つまり、事実上の「納税」ということになるので「ふるさと納税」という名が付けられているのです。

年金受給者でもふるさと納税が可能

この制度ですが、年金受給者でも利用可能です。
ただし、収入金額によっては所得税や住民税を納めずに済むケースもあります。
たとえば、65歳未満で年金のみが収入源の人なら、所得税を納めなければならないのは年間収入が108万円(住民税は105万円)をオーバーする場合です。
65歳以上なら年間収入で158万円(住民税は155万円)をオーバーするかどうかが基準となります。
さらに、上記の金額をオーバーしているケースでも、各種の保険控除や扶養控除などがあれば、所得税や住民税の納税額が0円となる場合もあります。
このような場合、そもそもの納税がないわけですから、ふるさと納税をしても税金の控除や還付といった特典を受けることはできません。
つまり、(特産品を受け取る点を除けば)純粋な寄付になってしまうので注意が必要です。

また、ふるさと納税をした場合に税金の控除・還付の対象となる金額については、所得や家族構成に応じて上限が決められています。
その上限をオーバーして寄付した分については、税金の控除や還付を受けることができませんのでご注意ください。

最後に

以前はふるさと納税をした場合には確定申告の必要がありましたが、現在では一定の条件を満たしていればワンストップ特例制度を利用することができるようになっています。
この場合、確定申告をする必要がなく、簡単な手続きだけで税金の控除を受けられます。
詳しくは総務省のふるさと納税ポータルサイトなどでご確認ください。

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