保険の逆選択はどうして起こる?逆選択が起こる原因と防止策

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皆さんは保険市場において「保険の逆選択」という言葉を聞いたことがありますか?
保険の逆選択とは保険事故の起こる確率の高い人や病気になりやすい(現在持病を抱えている)人などが進んで高い保険に加入する傾向を言います。
このような現象が起きるといくつかの問題が起きます。問題点や逆選択が起こる原因、防止策についてみてみましょう。

【保険市場に逆選択が起こる問題点】

保険は契約者に対して公平でなくてはいけません。しかしながら上記のような保険の逆選択が起きると保険契約者側は不健康な人、危険度の高い仕事に従事している人、保険金を詐取する人などが高額の保険に加入するようになります。
保険会社は健康な人と不健康な人の判断が出来ない為全体をひとまとめにして平均的な疾病率で保険料率を決定する事になります。こうなると健康な人にとって保険料は割高になり、病気になるリスクの高い人には割安な保険になってしまいます。結果的に健康な人は安い保険へと移り、リスクのある人ばかりが加入する保険になり疾病率と保険料が更に上がる事に繋がるのです。
このような事態が起こると収支の原則が崩れ契約者間の公平さは保たれなくなるのです。
逆選択が起きると最も深刻な問題はこのような負のスパイラルを招き提供される保険量は最適なレベルよりも少なくなり最悪の場合は市場自体が消滅する事もあり得るのです。

【保険の逆選択が起こる原因】

逆選択が起こるためには下記のような4つの条件があると言われています。
・被保険者のグループの中で健康状態が不均一でありばらつきがある事
・競合する医療保険のプランがあり契約者がプランを選択できる
・保険の契約者と保険会社との間に情報の非対称性が起きている
・保険料が個人の健康のリスクに合致していない事

このような事が原因で保険の逆選択は起こると考えられています。
個人が自分にとってよりメリットの大きいプランに加入する事で逆選択は起きます。

【保険の逆選択の防止】

このような逆選択の保険市場に対する防止策として多くの保険会社では加入時に医師による診査や告知、契約成立前確認などを行うようにしています。
また保険会社と契約者の間に情報の非対称性がなくなれば保険会社が個人の健康状態に合わせた保険料と将来の健康リスクに保険料を合わせる事ができ、保険の逆選択を最小限に抑える事ができます。

【まとめ】

保険の逆選択が起こると保険市場で保険料の上昇や被保険者の健康状態の不均一など様々な問題点が起こります。
このように逆選択が起こると保険は成り立たなくなります。この代替的な手段として「団体保険加入制度」というものがあります。個人が保険に加入すると逆選択が起こりやすくなる為団体全体で加入する事で逆選択を防止し加入者にとっても団体で加入する事で保険料が安くなるというメリットがあります。

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