通所リハビリに医療保険は使える?

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はじめに

リハビリテーション(リハビリ)は、日本語では「再度、ふさわしい状態に戻す」というような意味であり、「自分らしく生きられるようになること」や「元通りに社会生活ができるようになること」を目的に行われます。
つまり、単なる機能の回復だけを目的として行われるものではありません。
このリハビリのうち、自宅で生活している要介護の方が介護施設や医療機関に通って受けるリハビリは「通所リハビリ」または「デイケア」と呼ばれます。

「通所リハビリ」という言葉にはあまりなじみがないという方も多いかもしれません。しかし「デイケア」であればほとんどの方が聞いたことがあるのではないでしょうか。
実は、この通所リハビリの費用には公的医療保険は適用されません。
ではどうなるのかと言えば、介護保険が適用されることになっています。
詳しくは、以下で見ていくことにしましょう。

通所リハビリには介護保険が適用される

冒頭でも述べたように、通所リハビリ(デイケア)の利用にかかる費用には医療保険は適用されず、介護保険が適用されます。
これは厚生労働省の通知により、同一のサービスに介護保険が適用される場合には、医療保険からの給付は行わない旨が規定されているためです。
そもそも、通所リハビリは基本的に要介護あるいは要支援の認定を受けた人の利用を前提としており、そのため必然的に介護保険の対象となってくるわけです。

なお、介護保険が適用されるリハビリとしては、通所リハビリのほかにも訪問リハビリがあります。
こちらは、通所が困難な場合など医師によって訪問リハビリの必要性が認定された方が対象となります。
また、介護保険によるリハビリとしては、介護施設や医療機関に短期間入所して受けるタイプのもの(ショートスティ)もあります。

医療保険によるリハビリとの違い

では、介護保険によるリハビリは医療保険によるそれとは何が違うのでしょうか?
介護保険によるリハビリは、からだの機能を維持したり、機能の衰えを予防したりするために行うことが認められています。
これに対して、医療保険によるリハビリでは、このような維持や予防を目的としたリハビリは原則的に認められていません。

病気になったときに、疾患別のリハビリを受けるというのが原則です。
また、介護保険による場合は期間(日数)を必要に応じて決められるので、長期間にわたりリハビリを受けるケースも多くありますが、医療保険の場合は日数にも制限が設けられています。

まとめ

今回は、通所リハビリ(デイケア)を利用する際にかかった費用は、医療保険の適用とはならず介護保険が適用されることを説明しました。
また、医療保険によるリハビリと介護保険によるリハビリとの違いについても見てきました。
なお、介護保険による通所リハビリなどの利用料金は、介護保険の負担割合と要介護の程度によって変わってくることになっています。

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