民間の医療保険が満期となった場合に置かれる状況とは

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ケガや病気など、健康上不測の事態が発生した際に、金銭的に大きな助けとなる医療保険。民間の保険会社が取り扱う保険では、契約内容によっては適用期間の終了すなわち満期が設定されるタイプも見られます。満期となった際、契約者はどのような状態に置かれるのでしょうか。

公的医療保険と民間医療保険

我が国において、医療保険と言えば保険関連の会社や企業がサービス提供しているタイプを指すのが一般的です。しかし厳密にいえば、医療保険は行政など公的機関が扱う種類と、先に述べたような民間企業が扱う種類の2通りに大別されます。まずはそれぞれの違いについて確認しておきましょう。

公的医療保険

日本では国民皆保険制度が採用されており、基本的に国民は誕生から死去まで公的医療保険に加入していることになります。公的医療保険の種類は次に挙げる3通りです。

まず、会社員など被雇用者が加入する「健康保険」。次いで、自営業者や雇用されていない方が主な加入者となる「国民健康保険」。そして、75歳以上の方を対象とする「後期高齢者医療制度」が挙げられます。

これによって、ケガや病気の際に発生する医療費について、加入者の収入や年齢に応じて定められた比率が保険で賄われることとなります。

民間医療保険

公的医療保険が適応されるのは、検査や治療など医療行為に掛かった金額のみとなります。入院の際に生じる食事代や差額ベッド代などについては適用されません。

このように、公的医療保険でカバーできない費用への備えとして利用されるのが、民間医療保険です。基礎的な公的医療保険にプラスすることにより、医療費全般についてさらに手厚い保障が受けられることになります。

民間企業が提供する医療保険は、その適用条件や給付金額など、内容的に様々な種類が取り扱われています。契約を結ぶ際には、ご自身の生活環境に合った内容の保険を選ぶことが肝要です。

民間医療保険における満期

民間の会社や企業が取り扱う医療保険において、期間について着目した場合、2通りの形式に分けられます。一つは、公的医療保険と同じように一生涯利用できる「終身医療型」。もう一つは、一定の期間に限って保障対象となる「定期医療型」です。

定期医療型には、契約期間の終了すなわち満期が設定されることとなります。満期に至れば、それ以降は保険の対象から外れることとなるため、加入状態を維持するには契約継続あるいは他の保険への新規契約の手続きが必要となります。

また、医療保険は、返戻金の有無という観点に関してもタイプを分けることができます。返戻金とは、保険契約が継続した期間に応じて戻って来る支払い費用のことです。

返戻金がある場合、万が一の保障以外にも貯金の機能を併せ持った保険と見做すことができ、そのような形式を貯蓄型と言われます。

対して、返戻金が発生しないタイプは保障機能のみを持つ保険として、掛け捨て型と呼ばれます。掛け捨て型には貯金の側面がない反面、月々の保険料が安価というメリットがあります。

満期を迎えた場合、掛け捨て型では保険対象から外れるのみとなります。しかし貯蓄型では、満期に至ればこれまで支払ってきた保険料が、返戻金として戻って来ることになります。

貯蓄型には、満期に伴って支払った保険金が全額戻るリターンタイプ、何割かが戻って来る解約払戻金タイプなどがあります。また満期での返還以外に、一定期間ごとに返戻金を受け取るお祝い金タイプも見られます。

貯蓄型の医療保険へ加入希望される場合には、どのような形で返戻金を受け取るのがご自身に合っているのか、検討しておくべきと言えます。

最後に

以上のように、医療保険には公的なものと民間企業が提供するものの2通りあるという基本を抑えつつ、民間医療保険の満期における事項について確認してまいりました。掛け捨て型と貯蓄型、また貯蓄型内においてもどのような形式がご自身にマッチしているのか、そういった点を見極めつつ加入について判断することが肝要です。

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