国が改善に乗り出した社会保険未加入者問題とは?未加入者の放置

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東京五輪開催に向けて建設業者は現在活況ですが、実は若者離れが深刻化しているのです。その原因の一つとも言われるのが、社会保険未加入問題です。
今まで国は未加入問題を放置してきたのですが、今般働き方改革の推進と伴に、未加入問題の解決に乗り出しました。

【法定福利費の削減】
高度経済成長や、バブル絶頂期には建設業界は大いに活況していました。建設投資額は、およそ84兆円、建設業就業者は619万人にものぼっていました。
しかし、バブル崩壊後建設業の需要は低下し、下請け業者は人件費の削減、作業の効率化、工期の短縮などが求められるようになり価格競争は激化していきました。
そんな中一番に手を付けられたのが、法定福利厚生費の削減でした。法定福利厚生費とは、雇用保険、厚生年金、健康保険などの社会保険料の事を言います。
しかし、福利厚生は従業員が安心して働く為には欠かせないものでこのような事が原因となり若者の建設業界離れが加速したのではないかと言われています。

【国の対策】
国は、長年社会保険未加入問題を放置してきましたが現在のままでは技術の継承や建設業界全体の衰退にも影響を与えかねないという危機から2011年やっと対策に乗り出しました。
例えば、政府が発注元となる直轄工事に関しては社会保険未加入業者の排除する事や、業界全体で協力して必要な法定福利厚生費の内訳を明示したものを提出させる事、作業者名簿に社会保険加入の有無を記入する事などを義務付けました。
しかし、このような方策も末端の下請け企業まで浸透させるのはなかなか難しく課題も多くあります。
例えば、政府の方針が及ぶのは、国の直轄工事だけで民間の工事まで規制する事は難しかったり、一人親方と呼ばれる個人事業主も多い事などがあります。
特に、都心部では国が管轄する工事よりも民間事業者による建設工事が多く国の方針が浸透できない問題があります。

【まとめ】
しかし、現代のような豊かな生活は道路や上下水道、通信などのインフラが整備された事の上に守られています。
その根底となる、建設業界の従業員が安心して働く事ができるようになる事は私達自身の生活の安定、安全にも繋がるという事を忘れてはいけません。
私達の生活の支えとなっている建設業者の社会保険未加入問題は、決して建設業者だけの問題ではないのです。この事に多くの人が気づき、少しでも建設業界での社会保険未加入者が減る事を願っています。

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