故人の年金が支給された場合相続財産となるのか?

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【はじめに】
年金を受給している方が亡くなった場合、死亡届を年金事務所に提出しなかったら年金がそのまま振り込まれる場合があります。
このようなケースでは支給された年金は相続財産として遺産分割の対象になるのでしょうか。
また相続税は発生するのでしょうか。
このような疑問を今回解消していきたいと思います。

【年金の受け取り方】

年金をもらうべき人が死亡した場合、その死亡月の分まで年金は支給されることになります。
例)12月に死亡した場合、12月分の年金は支給される。

ただし注意しなくてはいけないのが、年金は後払いで2ヵ月分支払われるため死亡した月の12月分は2月に1月分と合わせて振り込まれることになります。

そしてこの1月分の年金は年金をもらうべき人が1月には既に他界しているので返さなければいけません。

【受け取った年金は相続財産になるのか】

死亡した後に振り込まれた年金が相続財産として遺産分割の対象になるのかという問題ですが結論から言うと遺産分割の対象にはなりません。

これは振り込まれた年金が受取人固有の財産とみなされるためで勿論相続税も発生しません。未支給年金と相続性の関係は平成7年11月7日の最高裁判決で完全に否定され、未支給年金の請求権は受取人の固有財産という立場が明確になりました。

ただし、受取人の一時所得として所得税はかかることになります。一時所得は年間50万円まで非課税であり、未支給年金単独で50万円を超えることは少ないと予想されるので課税されるケースは稀ですが覚えておきましょう。

【ではだれが受け取ることができるのか】

「死亡した人の年金を受け取ることができるのはだれか」という問題についてですが、これは年金を受け取っていた方が亡くなった当時、この方と生計を同じくしていた方になります。
またその場合受け取る順位があり、以下のようになっています。

1. 配偶者
2. 子
3. 父母
4. 孫
5. 祖父母
6. 兄弟姉妹

ちなみに同順位に複数存在する場合には等分して分け合うことになっています。

【まとめ】

死亡した人の口座などに年金が振り込まれた場合、故人が生きていた月分までの年金は先程順位で示した受取人が受け取ることになります。この場合受取人以外の方が故人の口座から引き出した場合にはこの年金は受取人に返す義務があります。
年金受給者が死亡した場合にはまず年金事務所に「死亡届」を提出して、その後「未支給年金請求届」を提出して受け取れる分の未支給年金を受け取るようにしましょう。

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