- 2021-8-14
- 個人年金・年金
はじめに
現役を引退すると増えるものと減るものがあります。
増えるもの、それは時間。
人によりますが、今まで仕事に充てていた時間がほぼ自分の自由に使えるようになるという方が多いのではないでしょうか。
一方、減るもの。
それは収入。
現役を引退するとほとんどの場合、収入の減少を避けることができません。
つまり、使える時間は増えるが使えるお金は減るということになってしまうわけですね。
そんな現役引退後の生活を支えるのに大きな役割を果たすのが年金ですが、これに関連した制度で年金生活者支援給付金というものをご存じでしょうか?
制度の概要
この制度は、所得・収入の少ない方が対象で、対象者は申請することで年金にいくらかの金額を上乗せして受け取ることができることになっています。
制度の対象となるためには、次のような条件を全部満たしている必要があります。
65歳以上の老齢基礎年金を受け取っている人
同じ世帯の人全員が市町村民税非課税
前の年の年金収入や他の所得がおよそ78万円以下(ただしこれ以上であってもおよそ88万円以下の場合は「補足的老齢年金生活者支援給付金」の支給対象)
このような条件を満たす人に、月額約5000円を基準として保険料納付済期間や免除期間に応じて算出した額が上乗せされて支給されることになっています。
対象となる方には、年金機構からはがきタイプの請求書が送られてきますので、それを使って手続きを行います。
この制度だけで十分なお金がもらえるわけではない
老齢基礎年金の満額はおよそ78万円です。
一方、この制度の対象となる条件には先ほど述べたように「前の年の年金収入や他の所得がおよそ78万円以下」である必要があります。
つまり、この制度は老齢基礎年金を満額受け取ることができない人を救済するための制度ととらえることもできるわけです。
ただし、78万円を月額にすると約65000円にしかなりません。
夫婦二人だとしても約13万円。
とても十分な暮らしができるだけの金額とは言えないでしょう。
したがって、この制度があるからと言って現役引退後の生活が安心というわけではありません。
また、これは満額受給であっても、国民年金にしか加入していなかった方にもあてはまることです。
現役引退後に十分な暮らしをするためには、公的な制度だけに頼るのではなく何らかの自助策が必要不可欠と言えます。
最後に
今回紹介した年金生活者支援給付金の制度ですが、対象となるのは老齢基礎年金だけではありません。
障害基礎年金や遺族基礎年金に関しても制度が設けられています。
詳しくは年金機構のホームページで確認するか、最寄りの年金事務所などへご相談ください。