- 2017-7-21
- 個人年金・年金
終身保険、生命保険、養老保険、個人年金保険などでは、急にまとまったお金が必要になった場合には「契約者貸付制度」というものがあります。これは保険会社から融資を受けることができる大変便利な制度ですが、メリットだけではなく注意点もいくつかありますので、ぜひおさえておきましょう。
【契約者貸付制度とは】
現在契約している保険の解約返戻金を担保に、保険会社からお金を借りる制度のことを言います。借りられる金額は、保険会社や保険の契約によって異なりますが基本的に70~90%となっています。
また契約者貸付制度を利用できるのは、契約者本人だけですので気を付けましょう。貸付制度を利用する場合、保険会社に連絡をして所定の書類を提出する必要があります。
また、お金を借りることになるので通常のように貸付利子も発生します。一般的に、契約している保険の予定利率に1~2%上乗せした金額が設定されています。
【契約者貸付制度を利用する際の注意点】
保険の契約者貸付制度を利用する場合は下記のような注意点もありますのでしっかりと覚えておきましょう。
・借りたお金の利率
契約している保険の解約返戻金を借りることになるため、貸付金には利率が設定されます。この利率を年利・福利で計算し返済額は年々増加していくことになりますので借りる際には、しっかりと返済計画を立ててから行うようにしましょう。
・保険が失効するリスクもある
保険会社からお金を借りて、返済が長期間滞ってしまった場合返済額が解約返戻金の金額を超えるケースもあります。このような場合は、保険が失効してしまい保険の効力がなくなりますので気を付けましょう。
・祝い金や満期金がある場合
お金を借りて返済ができない場合は、返済額はどんどん膨らんでいきます。学資保険、養老保険などで満期金や祝い金がある場合、これらから返済額を差し引いた金額が給付されることになります。祝金を教育資金などのあてにしていた場合、目的のために使うことができなくなることもありますので、気を付けましょう。
・バブル期の保険は要注意
バブル期の保険に加入している人は、予定利率が4~5.5%などと現在では考えられない位高い利率になっています。契約者貸付制度を利用する場合は、予定利率は返済する時の利子に大きく関係してきます。この頃の保険に加入している人が契約者貸付制度を利用する場合は、貸付利子や返済額について一度保険会社に確認しておく必要があります。
突然の病気や、配偶者の死亡など私達の生活には様々なリスクが発生します。このような時に契約者貸付制度は大変便利ですが、注意点も多くあります。借りる場合は、返済計画についてもしっかりと立てた上で無理のない範囲で借りるようにしましょう。