- 2025-12-18
- 個人年金・年金

年金制度は将来の生活設計に直結する非常に重要な制度ですが、「具体的にどうやって受給額が決まるのか?」という計算方法については、意外と知られていないことも多いものです。この記事では、日本の年金制度における計算方法の仕組みを、基礎年金と厚生年金の2つに分けて、わかりやすく段階的に解説します。
目次
- 年金の種類と構造を理解する
- 国民年金(基礎年金)の計算方法
- 厚生年金の計算方法
- 受給開始年齢による調整
- ねんきん定期便とシミュレーション活用法
- まとめ
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年金の種類と構造を理解する
日本の公的年金制度は「2階建て構造」といわれ、すべての人が加入する1階部分の「国民年金(基礎年金)」と、**会社員や公務員などが加入する2階部分の「厚生年金」から成り立っています。自営業者やフリーランスは国民年金のみに加入する一方で、会社員は両方に加入して保険料を納めています。
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国民年金(基礎年金)の計算方法
国民年金の受給額は、加入期間に応じて定額で支給される仕組みです。満額(40年間の納付)で受給できる場合、令和6年度(2024年度)の年金額は年間約81万7,000円(月額約6万8,000円)です。
計算式は以下の通りです:
受給額 = 満額年金 ×(納付月数 ÷ 480か月)
例えば、納付期間が30年(360か月)の人であれば、
81万7,000円 ×(360 ÷ 480)= 約61万2,750円(年額)
となります。
※未納・免除期間があると、この計算に影響します。
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厚生年金の計算方法
厚生年金は、報酬比例型であり、**「働いて得た収入額」および「加入期間」**によって受給額が変わります。
計算式は以下のようになります:
受給額 = 平均標準報酬 × 乗率 × 加入年数
- 平均標準報酬:給与・賞与などの平均月収(過去の実績から計算)
- 乗率(令和6年時点):0.005481(男性・女性共通)
- 加入年数:厚生年金に加入していた年数
例えば、平均月収30万円で40年間加入した場合、
30万円 × 0.005481 × 40年 × 12か月 = 約78万9,264円(年額)
となります。
厚生年金はこのように、収入が多い人ほど、長く働いた人ほど年金額も高くなるのが特徴です。
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受給開始年齢による調整
老齢年金の受給開始は原則65歳ですが、繰上げ受給(60~64歳)や繰下げ受給(66~75歳)も可能です。
- 繰上げ:1か月早めるごとに0.4%減額(最大24%減)
- 繰下げ:1か月遅らせるごとに0.7%増額(最大84%増)
たとえば、65歳からの年金が年額100万円だった場合、70歳まで繰り下げると最大184万円になります。逆に60歳で繰り上げると最大76万円になります。
ライフスタイルや健康状態、就労予定によって調整の可否を検討しましょう。
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ねんきん定期便とシミュレーション活用法
年に1度届く「ねんきん定期便」や、マイナポータル連携の「ねんきんネット」では、将来の受給見込額を確認できます。
特に50歳以上の方には、現時点の年金記録に基づいた将来見込み額の記載があります。
さらに、「ねんきんネット」では収入の増減シミュレーションも可能です。
計算が苦手な方も、これらのツールを活用することで、具体的な金額をイメージしやすくなります。
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まとめ
年金の計算は、「加入期間」と「収入」によって成り立っており、制度への理解が将来の生活を左右します。国民年金は定額、厚生年金は報酬比例型という違いを理解し、自分の年金記録を定期的にチェックしておくことが大切です。
また、受給開始年齢の選択や私的年金制度の活用も含めて、自分に合った老後設計を今から描いておくことが求められています。人生100年時代に向けて、まずは自分の年金額を「知る」ことから始めましょう。














