- 2020-7-6
- 医療保険
はじめに
民間医療保険への加入を検討されている人の中には、「控除」が受けられることがその理由の人もいるのではないでしょうか。
税金を少しでも抑えたい気持ちは分かりますが、「自動で」とはいきません。
源泉徴収はされない?
加入を考えているのがサラリーマンの方なら「源泉徴収に医療保険料の控除も反映されているのでは?」と思っている人も少なくないでしょう。
しかし、そうではありません。
そもそも、源泉徴収は前もって所得にかかる税金を給料から天引きするための仕組みです。
天引き前の給与額、扶養家族の人数、賞与などを元に源泉徴収額は計算されます。
その中には医療保険料をはじめとする生命保険料控除は加味されていません。
冷静に考えてみれば、民間保険に加入していることを会社が事前に把握しているのはおかしな話ですよね。
自身でやります!
自動で反映されるわけではないですから、自ら申告する必要があります。
それも年末調整時に申告します。
基本的には会社に控除を受けたいことを伝え、申告書を渡されたら必要事項を記入します。
控除額を計算して記入しなければなりませんが、申告書に計算式も記載されているので思っているほど難しくはないでしょう。
あと、申告書のほかに保険料控除証明書が必要になります。
これは保険会社から送られてくる書類で、自身が今までいくら保険料を支払ったか、そして年末までにいくら支払うことになっているかが記載されています。
多くは10月ごろに送られてくるので年末調整までの間はなくさないように大切に保管しておきましょう。
また、この証明書には加入している医療保険が「生命保険料控除の新制度の対象か?旧制度の対象か?」も記載されています。
新制度なら一枠4万円、旧制度なら一枠5万円が控除額の最大となっています。
ちなみに、新制度なら枠が3つ、旧制度なら2つです。
ただし、医療保険で使えるのは一枠のみとなっています。
戻ってくるのは、納め過ぎた額
このような話になると控除額が戻ってくると思ってしまうかもしれませんが、それは違います。
あくまで戻ってくるのは、納め過ぎた税金です。
年末調整では生命保険料控除額のほかに、その年の実際の給与額なども算出し、本来支払うべき所得税額を導き出します。
そして、その額と源泉徴収した額とにズレがないか確かめるのです。
そのため、源泉徴収で多く払い過ぎていたことになれば、その払い過ぎた分が戻ってくることになります。
まとめ
医療保険料の控除は、源泉徴収に自動的に反映されることはありません。
控除を受けたいのであれば自らの申告が必須となっています。
とはいっても、申告する旨を伝えれば会社側がほとんどの手続きを進めてくれるので、気軽に申告してみましょう。