年金の損得を考えるときのポイントとは?

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はじめに

老後のことを考えたとき、真っ先に頭に浮かぶのは「年金」ではないでしょうか。
そして、年金のことになるとついて回るのが「損得」の話。
「受給を開始するなら◯歳からが得」とか「現役世代は保険料が増えていくばかりだから損」といったような話になると思います。
ここでは年金を受け取る際の損得について考えてみたいと思います。

何年で元が取れるのか?

損得を考えるうえで最も気になるのが「何年で元が取れるか?」という人も多いでしょう。
ネットなどで様々な試算が出されていますが、その多くが国民年金のみなら約10年としています。
条件としては、保険料の支払いに漏れがなく、65歳から受給を開始した場合です。
また、保険料も試算を出したときの金額を元にしています。

これを参考にするなら75歳で元が取れ、それ以降は得するばかりと言えそうです。
つまり「長生きすれば問題ナシ!」となるわけですが、本当にそうとらえていいのでしょうか?

そこで、次のポイントとなるのが「年齢のとらえ方」です。

受給開始年齢のとらえ方

先ほど、元が取れるのに約10年と紹介しましたが、今後保険料が上がり、給付額が減ることが考えられるのでこの年数は延びるかもしれません。
ですから、現役世代で得をしたいなら長生きは必須です。
とはいっても、75歳以上はそれなりに高齢です。
それ以上長生きすれば得をすると言われても、何もなく健康でいるのは稀なことでしょう。

確かに、20歳から60歳の40年間払い続けたお金を10年で回収するのは凄いことです。
しかし、10年経ったときの自身の健康状態を無視することはできません。
年金の額を増やすために受給開始年齢を遅らせようと考えているならなおさらです。
現時点(2020年)では、70歳まで受給を遅らせることができますが、受給開始を考えている年齢に達する前に亡くなってしまう可能性も十分あり得ます。
また、その年齢に達したとしても得するほど長生きできるとは限りません。

つまり試算上では得する年齢だったり、受給を開始する年齢だったりを考える際には、自身がその年齢を迎えたときどんな状態か想像する必要があります。
そううえで、損得を考えるか見つめ直すべきでしょう。

まとめ

2020年5月29日に年金改革法が成立しました。
これにより2022年4月から受給開始年齢を75歳まで遅らせることができるようになります。
要するに、より年金の額を増やすことが可能になるのです。
ですから、健康状態や年金以外の老後資金に自信があるのなら年齢を最大限遅らせるのもありでしょう。

しかし、年金はあくまで老後の生活を支える資金の一部です。
また、永遠に続く制度という確証はありません。
ですから損得勘定で考えるよりも、いかに生活の助けとして活用するかを優先して考えることが重要と言えます。

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