個人年金保険の受け取り方について

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はじめに

日本人の平均寿命は男女ともに80歳を超えています。
今や人生90年あるいは100年が現実になってきているのです。
一方、現役を引退する年齢はその人のライフスタイルや職業などによりさまざまですが、一般的には65歳前後というパターンが多いことでしょう。
つまり、現役を引退してからもかなり長い人生が残っているということです。
この長い老後の人生を満足できるものにするためには、やはり十分なお金があったほうがいいですよね。
ところが、公的年金の受取額は目減りしていく一方です。
このギャップを埋めるための手段として人気が高いのが個人年金保険。
今回は、その受け取り方について考えてみることにしましょう。

通常は分割がお得

どのような受け取り方がいいのかを考えるにあたって、まず税金に注目してみましょう。
あらかじめ決めておいた時期がやってきたときに保険会社から受け取るお金には税金がかかります。
このとき課せられる税金は、一般的には所得税です。
この税金は、その名の通り「所得」に対して課せられます。
もっとわかりやすい言葉で置き換えれば「儲け」とか「利益」に対してこの税金がかかってくるということです。
所得の計算方法は「収入 - 経費」で、保険会社から受け取るお金が「収入」、それまでに保険会社に払い込んできたお金が「経費」に該当します。

ところで、個人年金の受け取り方には一括と分割(年金形式で受け取ること)という2つのパターンがあります。
どちらとも受け取ったお金が所得税の対象になるという意味では同じですが、所得の分類が両者で異なります。
一括の場合は一時所得、分割の場合は雑所得という扱いになるのです。
実は、前者に関しては50万円の特別控除が設けられています。
したがって、一括で受け取れば税金がかからないのに、分割で受け取ると税金がかかってしまうという場合もあります。

このように見てみると、一括で受け取るほうがお得に思えるかもしれません。
しかし、保険会社にお金が残っている期間、つまり運用できる期間で考えてみると、分割のほうが長くなるので、その分保険会社から受け取る額も多くなりやすいのです。
その結果、税金で持っていかれる分を考慮しても、一般的には分割のほうがお得な傾向にあります。
このため、一括で受け取ったお金を投資で増やす予定をしているなど、特別なケースを除けば分割で受け取るのがおすすめということになります。

最後に

税金との関係で気をつけておきたいのは、契約者と受取人の問題です。
ここまで説明してきたのは両者が同一人物のケースです。
これが別々(たとえば契約者が夫で受取人が妻など)になると、所得税ではなく贈与税の対象となります。
この場合、納めなければならない税金の額は、所得税の場合よりもはるかに多くなってしまう可能性がありますのでご注意ください。

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