年金の合計所得金額とは?

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年金を受け取っている人が確定申告をする際、合計所得金額と言う言葉を聞いて戸惑った経験は無いでしょうか?今回は、合計所得金額とは何かと言う事から、計算の仕方までを解説します。

合計所得金額とは何か?

まず、合計所得金額と言う言葉が何を指示しているのかから解説します。合計所得金額とは、給与所得、不動産所得、事業所得、雑所得などの総合所得を合計した金額(純損失、雑損失などの繰越控除適用前の金額)の事を指します。

別の言い方をすると合計所得金額とは、前年かそれ以前からの損失の繰り越し控除や、不動産の譲渡所得の特別控除を一切考慮しない、総所得金額等の繰越控除前の金額とも言えます。

〇土地、物などの譲渡所得など分離所得も含みます。
〇分離課税所得は特別控除適用前の所得金額で計算します。
〇株式などから得られる配当所得や、源泉徴収を選択済みの特定口座内の株式などの譲渡所得も、申告すれば合計所得金額に含みます。
〇源泉分離課税の対象となる退職所得は含みません。

合計所得金額を算出する必要があるのはどの様な時か?

合計所得金額を算出する必要が生じるのは、次の様な金額を求める場面です。

〇均等割の非課税限度額
〇未成年者、寡婦、障がい者、ひとり親の非課税限度額
〇配偶者特別控除、扶養控除の所得判定
〇ひとり親、寡婦控除などの所得要件の判定
〇株式などの譲渡損失の繰越控除、居住用財産の3000万円特別控除の適用をした場合などは、それぞれ、繰越控除前、特別控除前の所得金額を基に判定する為、均等割が課税されたり、扶養から外れる場合もあります。
〇確定申告で株式の譲渡所得の繰越損失を適用して、還付申告する場合には注意が必要です。

合計所得金額の具体例

あなたが、年金受給者であり、且つ、仕事をしていて収入が1年間(1月~12月)で60万円、年金収入が1年間で110万円あり、それ以外には収入がなかった場合、計算式は次の様になります。

給与収入60万円- 所得控除55万円= 給与所得5万円
年金収入110万円- 公的年金控除110万円=年金の所得(雑所得)0円

したがって、その方の合計所得金額は5万円という事になります。
補足として、年金を受給していない人の具体例も紹介しましょう。

給与収入400万円-給与所得控除68万円=給与所得332万円
雑多な収入30万円-必要経費0円=雑所得30万円
事業による収入200万円-必要経費100万円=事業所得100万円

給与所得332万円+雑所得30万円+事業所得100万円=合計所得金額462万円

と言う様になります。

最後に

今回は、年金と合計所得金額とは何か?をテーマにお伝えしました。年金を受け取りながら働いていたり、事業所得を得ていたり、配当所得を得ていたりするとやや複雑になりますが、確定申告をきちんと行う際に必要ですので、しっかりと理解して臨みましょう。

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