- 2020-4-23
- 学資
はじめに
何かと大変な現役世代の子どもさんに代わって、お孫さんの将来のために学資保険への加入を考えておられるおじいさん・おばあさんもいるでしょう。
しかし、おじいさん・おばあさんが契約者、お孫さんあるいは子どもさんを受取人として学資保険に加入するよりは、保険料に充てるお金を子どもさん(お孫さんの親)に贈与し、そのお金で子どもさんが契約者兼受取人となって学資保険に加入してもらうことをおすすめします。
以下でその理由を説明していくことにしましょう。
保険料を子どもさんに贈与することをおすすめする理由
なぜ、いったん子どもさんに贈与してから加入することをすすめるのか?
最大の理由は「贈与税」です。
この税金は、1年間にもらった金額のうち110万円をオーバーした分に対して課せられます。
これに対して、学資保険の満期がやってきたときに受け取る金額の一般的な相場は200万円ないし300万円というところです。
つまり、おじいさん・おばあさんが契約者、お孫さんあるいは子どもさんを受取人とすると、多くの場合は110万円をオーバーする贈与になり、お孫さんあるいは子どもさんが税金を支払わなくてはいけなくなってしまうのです。
その一方で、1年間で支払う保険料が110万円をオーバーするというようなケースは、よほど高額の学資保険に加入したり、保険料を一括で支払ったりしない限りふつうはありません。
それに加えて、学資保険には契約者にもしものこと(死亡・高度の障害など)があった場合に、以後の保険料払込みはしなくてもよくなる一方で満期金は契約通りに支払われるという特約が付いているのが一般的です。
これは払込免除特約と呼ばれるものですが、今しがた述べたようにこの特約は生命保険的な性質を持っています。
このため、一定以上の年齢にある人が契約者になると、この特約を付けることができなかったり、付けることができても保険料が高くなるというデメリットも存在します。
これらの点が、保険料に充てるお金を子どもさん(お孫さんの親)に贈与し、そのお金で子どもさんが契約者兼受取人となって学資保険に加入してもらうことをおすすめする一番の理由です。
最後に
1年あたりの金額が110万円以下であっても、毎年のように同じ時期・同じ金額(保険料)を子どもさんに渡していると、何年間かにまたがって贈与した合計額に対して税金が課せられてしまう場合があります(連年贈与)。
そのようなことにならないためには、保険料を渡すたびに贈与の契約書を交わしておくなり、保険料を渡す時期や金額を毎年変えるようにしておくなりしましょう。
また、もっと大きなお金をお孫さんの学資にと考えておられる場合は、1500万円までなら教育資金を非課税で一括贈与できる制度もありますので、そちらの活用もご検討ください。