医療費制度の将来を予測する

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はじめに

病気やケガをしたときにお医者さんにかかる、そして薬をもらう。
日本という国はこのときにかかる費用、つまり医療費という制度において非常に恵まれた国です。
自由診療や先進医療といった公的保険の範囲内でカバーされない一部の治療を除けば、自分で負担する分はかかった費用全体の数十%だけです。
さらに、その数十%の自己負担ですら所得に応じて定められる上限をオーバーするとその分は返金してもらえる制度もあります。
このようにとてもありがたい日本の医療費制度ですが、その将来を予測してみると実は制度の存続が危ぶまれる状況にあります。

医療費制度の将来予測

医療費制度を一つの財布と見立てた場合、出ていくお金は増え続けていっています。
その理由の一つは・・・みなさんお分かりですよね。
そう、高齢化です。
ふつう人間は歳を重ねれば重ねるほど、からだのあちこちに不具合が出やすくなります。
高齢者の数が増えていくと、出ていく医療費が増えるのは当然というわけですね。
そして、日本における高齢化は今後もさらに進んでいくことが予想されています。
つまり出ていくお金がますます増えるということです。

出ていくお金が増えていっている理由はほかにもあります。
医療界においては毎年のように新たな技術や薬が導入され、治療法はどんどん進歩しています。
わたしたちにとってこれはありがたいことですが、一方でこのような新しい治療はそのための費用が高額になりがちであり、このことも出ていくお金が増え続ける要因となっています。

そして、このような状況で起こってしまったのが今回のコロナ禍です。
新型コロナウィルスに感染した場合の医療費は全額公費負担。
感染拡大によって出ていくお金がさらに増えていることは容易に想像できます。

このように出ていくお金はどんどん増えていく一方で、入ってくるお金は減り続けています。
その理由の一つはここでも高齢化です。
現役世代の数が少なくなるとともに、働く人の数も減ってきています。
働く人の数が減れば、入ってくるお金(保険料)が減るのは当然のことです。
そこへコロナ禍がさらに追い打ちをかけます。
コロナ禍によって景気が悪化すれば、入ってくるお金はさらに減ってしまうかもしれません。

以上のような要因から医療費制度の将来を予測してみると、悲観的な予想しか思い浮かばないというのが現実ではないでしょうか。
近い将来、自己負担割合がさらに大きくなる可能性は十分にありますし、最悪の場合は制度の崩壊ということになってしまってもまったく不思議ではない状況です。

自分のことは自分で守る

このような状況の中、今後は民間の医療保険に対する需要がさらに高まるかもしれません。
「公的な制度はどうなるか分からないから、自分のことは自分で守ろう」と考える人が増えると予想されるからです。
民間の保険に入っておけば、自己負担が増えたり制度が崩壊したりしてもその影響はかなり和らげることができます。
公的制度まかせの時代は遅かれ早かれ終焉を迎え、自分のことは自分で守るのが当たり前の世の中になるかもしれません。

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